世界のネットをダウンさせたファストリーって何 ネット高速化サービスが障害引き起こした皮肉

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歯車が狂い始めたのはアメリカ東部時間の8日午前5時58分。サービスの障害を調査中との情報が、ファストリーのサイトにアップされた。

障害の影響でペイパル、ニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズ、ガーディアンなどのサイトが一時ダウンし、イギリス政府のサイトまでもが接続不能になった。

当のファストリーのサイトも一時停止に見舞われた。同社の広報担当者は、サイトのコンテンツをサーバーから個々のユーザーに送信するファストリーのシステムの問題に障害の原因があったとしている。

ネット障害は今後も起きる

ネットワークの分析を手がけるケンティックによると、ファストリーのサービスを経由したインターネットのトラフィック量は75%低下した。

ケンティックでインターネットの分析を統括するダグ・マドリー氏は、インターネットは複雑であり、一時的なサイトダウンは今後もつねにつきまとうと話す。同氏が指摘するのは、同様の障害はグーグルやアマゾンといった大企業でも起きているという事実だ。

「エラーのないネットなど存在しない。ネットが複雑である以上、障害の発生は避けられない」(マドリー氏)

しかし投資家は、ファストリーが引き起こした世界規模のネット障害をさして問題視していないようだ。同社株は8日、株式市場開始前の時間外取引(プレマーケット)でこそ下落したが、結局1割超値を上げた。

(執筆:Adam Satariano記者)
(C)2021 The New York Times News Services

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