「10年婚活し続けた女性」が最後に決断できたワケ 人生の伴侶に見合いで出会った時の「感覚」とは

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そこにいくと、昨年の1月にお見合いをした恭一(仮名、当時40歳)は、食の好みが一致していた。お酒を飲んだりおいしいものを食べたりするのが好き。お酒のアテにする珍味には目がない。そこは、菜穂子との共通項だった。年収も700万円ある。2回目のデートを終えたときに、菜穂子は言った。

「恭一さんさえ良ければ、ここで決めてしまいたいです。好きか嫌いかといえば、まあ、好きだし、何よりも食の好みも合うので、結婚しても、彼とならうまくやっていけそうな気がします」

コロナに人一倍敏感だった

ところが、時期が悪かった。年明けからコロナのニュースが頻繁に報道されるようになり、2月にダイヤモンド・プリンセスのコロナ感染が報道されるや、世の中は一気にコロナの脅威に怯えるようになった。

3月に入ると恭一から、「コロナが落ち着くまでは、会うのは控えたい」という連絡が来た。恭一は、コロナに人一倍敏感だった。しかし落ち着くどころか、4月には緊急事態宣言が出され、その後解除されても、一向にコロナが落ち着く気配はなかった。

そして6月に入り、恭一の仲人から連絡が来た。

「先日、交際状況のヒアリングをしたら、せっかくいいお付き合いをさせていただいていたのに、もう3カ月もお会いしてないと言うじゃないですか。『アナタが車を出して、郊外にドライブに行って、自然公園のような広い場所を散歩するデートをしてみたら』と言ってみたのだけれど、『感染リスクを考えたら、今は婚活を控えたい』の一点張りなんですよ。このままお待たせしていて、菜穂子さんのお時間が無駄にならないか心配です」

私も恭一の仲人と同じことを心配していたので、たびたび今後の交際をどうするかヒアリングしていたのだが、菜穂子は、「こんな時期だから、誰とお見合いして交際に入っても思うように会えないだろうし、今までお見合いしてきた中で恭一さんが一番ウマが合う気がしているので、もう少し待ってみます」。そう言っていたのだが、7月に入っても恭一は会おうとせず、しびれを切らした菜穂子は、交際終了を出した。結局ここで、半年の時間が無駄になった。

そこからまたお見合いを再スタートさせたのだが、なかなかいいご縁にはつながらずにいた。

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