高収入だが、女性に食事は奢らない
菜穂子は、婚活を始めて10年になる。私の相談所に移ってきてからは、4年弱だ。電子メーカーに勤めていて、年収は400万円、服装やメイクに派手なところはなく、一派的なOLという印象だ。
この4年弱の活動を見ていく中で、最初の2年は、かなり勢力的にサイトからお申し込みをかけていた。しかし、お見合いから交際に入っても2、3度会うと交際終了になることが多かった。2年を過ぎた頃には婚活疲れが見えてきて、活動も失速していたが、それでも止まることはなく、低空飛行ではあったが会い続けていた。
この4年弱のうちに、私が印象に残っている男性が3人いる。
1人は、美夫(仮名、当時40歳)で、彼女が35歳のときに見合いした5つ年上の男性だった。彼は、それまで菜穂子が会った中では一番条件のいい男性で、IT企業に勤めており、年収も1300万円あった。貯金額も、「将来の生活に困らないくらいはすでに持っている」と、付き合いが始まったときに、彼は言っていたようだ。
婚活疲れを起こし始めていた菜穂子は、「よっぽど変な人ではない限り、もうここで決めてしまいたい」と、私に言っていた。
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