「10年婚活し続けた女性」が最後に決断できたワケ 人生の伴侶に見合いで出会った時の「感覚」とは

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そして、今年に入り2月に、とても条件のいい男性からお申し込みをされた。有名国立大学を卒業し、年収は1000万円弱の貞夫(仮名、41歳)だった。

お見合いを終えた菜穂子は、交際希望を出し、私に言った。

「話をしたら、真面目で誠実そうな人だったし、もう本当にここで決めてしまいたい。9年婚活をやってきて、この市場にいる人たちがどんな人たちなのかもわかったし、見切った感があるんです。嫌じゃなかったら、結婚して、そこからいい関係を築いていけばよいかなって。私の祖母はそうやって祖父とお見合い結婚をして、一生を添い遂げたし」

こうして、貞夫とは3回、4回とデートを重ねていった。しかし、5回目のデートを終えたところで、「ちょっと相談したいことがあります」と面談を申し込んできた。

デートをするたびに、違和感を感じていく

事務所にやってきた菜穂子が、暗い顔で言った。

「もう貞夫さんで決めてしまおうと思っていたのに、デートをするたびに、違和感を感じていくんです。毎回、私を楽しませようとして、いろいろなデートプランを考えてくれるし、食事代も、『好きなものを頼んでください』と言って、すべてご馳走してくださる。LINEもマメだし、私が入れたLINEへのレスも早い。悪いところは何もないんですよ。友人や上司としてだったら本当に信頼できるし、好きになれる。でも、恋人や夫になる人として好きになるかというと、そこがどうしても疑問なんです」

前回のデートで、都内の大きな公園に行ったときのことだった。

公園の中を歩いていると貞夫から、「手をつないでもいいですか?」と聞かれたそうだ。その申し出に、「いいですよ」と言って手をつないだものの、何か気持ちがざわざわした。次第に手をつないで歩いていることが苦痛になっていったという。

ちょうどそんなとき、飲み物の自動販売機を見つけた。

「喉渇きませんか? 私お茶買ってきます」

菜穂子はつないでいた手をほどき、販売機でお茶を2本買うと、貞夫に渡した。そして、近くのベンチに並んで腰をかけ、2人の間に自分の持っていたショルダーバッグを置いた。お茶を飲み終わり並んで歩き出したときも、彼側にバッグを下げ、ショルダーの部分をギュッと握って、彼が手をつなげないようにした。

「ここで決めてしまおうと思ったのに、もう苦しい婚活から卒業したいのに、条件だけじゃ、結婚できないとか思っている自分がいるんです。貞夫さんは本当にいい人なのに、自分が嫌になります」

自己嫌悪に陥りながらも、菜穂子は貞夫に“交際終了“を出した。

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