「10年婚活し続けた女性」が最後に決断できたワケ 人生の伴侶に見合いで出会った時の「感覚」とは

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しかし、お付き合いが始まってみると、食事デートがまったく楽しめなかった。美夫は、ほとんど酒が飲めないが、菜穂子は料理をつまみながらお酒を飲むのが大好きだった。例えば、居酒屋に行っても、彼女はお酒とツマミ系を頼む。美夫は、しっかりとお腹にたまる肉や揚げ物やご飯ものを頼む。さらに、美夫は、自分で食べた物は自己精算をするという考えの持ち主だった。割り勘ではなく自分が食べたり飲んだりした分は、自分で払うのだ。

菜穂子は、食べることが趣味でもあった。ファッションや持ち物にはお金をかけないが、食事は、ある程度お金を出してもおいしいものを食べたいと思っていたので、美夫の精算方法はむしろ気が楽だった。ご馳走になるのがわかっていると、高いものは頼みづらい。

こうして、3回ほどデートを重ねたのだが、菜穂子は美夫から、こんなことを言われた。

身の丈に合った食事とは?

「キミは、食事にお金を使いすぎるんじゃないかな。平気で高いものを頼むよね。身の丈に合った食事をしたほうがいい」

このデートの後に、菜穂子は交際終了を美夫に出した。菜穂子は、私に言った。

「いつもご馳走になっているならいざ知らず、私が私のお金で食べたいものを食べて飲みたいお酒を飲んで、何が悪いんですかね。身の丈に合った食事って、何なのでしょう。美夫さん、1300万円も稼いでいるのに、1人で外食するときは、ファストフードのハンバーガーかチェーン店のうどんやラーメンなんですって。それが身の丈に合った食事なんですかね」

これに関しては、私は菜穂子に同調した。食べることが好きで、そこにお金をかける人もいる。そうではなく、食べることに興味はがないが、ファッションやパソコンや音響機器やアウトドアの趣味などにお金をかける人もいる。借金をせず、ある程度の貯金をして、自分の好きなことにお金を使っているなら、誰に文句を言われる筋合いもない。

美夫とは明らかにお金に対する考え方が違っていたので、この2人が一緒に生活していくことは難しかった。

仲人の経験則でいうと、男性に年収がある、イコール、女性に食事をご馳走をするとは限らない。女性にご馳走できるかどうかは、年収にはよらないのだ。これは男性にも女性にも言えることだが、人のためにお金を使えるかどうかは、その人の考え方次第。だから、私は、お金の使い方というのは、その人の人間性や育ってきた環境を映し出す鏡だと思っている。

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