日本一速い男、星野一義の副業ビジネス成功例 創業40年以上、インパル創業から現在と未来

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加えて、各パーツは、材質に比較的コストが安いABS樹脂を使用することで、リーズナブルな価格設定も実現している。ルークスの場合、リヤバンパーなど車体後部のパーツも含めたフルセットでも税込16万3900円。キックスでは、前後バンパー用やサイドステップ用などのフルセットが税込21万1750円だ。しかも、これら2モデル用パーツは、すべて塗装済みで販売されているため、一般的な未塗装のパーツと比べ装着時の手間がかなり省けることも、発売直後から好評を得ている理由だ。

このような作りわけは、星野氏いわく自社製品を「時代のニーズに応じて変化させる」ためだ。カスタマイズパーツも、かつては車種に関係なく、高くても売れた時代があった。だが、現在は、例えば軽自動車に乗るユーザーなどは、パーツの価格にもよりシビアになっている。そのため、スカイライン400Rといったハイエンドの車種については、販売数よりもユーザーの満足度を優先し、高価になることを覚悟で独自のデザインや高い質感を追求した。一方、ルークスやキックスのパーツでは、デザインや品質は従来のイメージを守りつつも価格をリーズナブルにするなど、車種や購入ユーザーに応じた製品をリリースしている。

これからのホシノインパルが向かう未来予想

時代に応じた変化は、製品だけでなく、ホシノインパル社内でも少しずつ起こりはじめている。例えば、新作パーツの開発だ。従来は、星野氏自ら担当したが、数年前から長男の星野一樹氏が行っている。スーパーGTに参戦する現役レーサーでもある一樹氏は、かつて父が行ったように、レースから得たノウハウを製品にフィードバックする。先述した3モデルの新作エアロも、同氏が手掛けたものだ。高い機能や品質の追求だけでなく、リーズナブルな価格の製品を作ることにも積極的にチャレンジした。一樹氏は「(日本一速い男と呼ばれた)父が築いた伝統を守りつつ、新しいことにもトライしていきたい」と語る。

星野一義氏と星野一樹氏(筆者撮影)
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