週2の通塾で最難関中学に合格続出する塾の正体 「中学受験2.0」を標榜するシグマTECHの教え方

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講師はスクールFCと兼任(筆者撮影)
年々過熱する中学受験。子どもへの負担は増すばかりだ。これ以上過当競争が進めば、子どもたちが壊れてしまう。そんな危機感から、「中学受験2.0」を標榜する塾も現れた。潮目は変わるか。前編・後編のそれぞれで、独自の中学受験観を貫くユニークな中学受験専門塾の取り組みを追う。

筑駒、麻布、武蔵、渋幕など、最難関に続々合格

夕飯を家で食べる生活を維持しながら、最難関校合格を実現する塾ができた。6年生でも通塾は水曜日・土曜日の週2回のみ(9月以降は日曜日に選択講座もあり)。平日でも19時35分には指導を終えて家で夕飯が食べられる。年々激しさを増す中学入試対策の流れに意志をもって逆行し「中学受験2.0」を標榜する。

塾名は「シグマTECH」。「花まる学習会」の中学受験部門「スクールFC」が運営する。1期生13人がすでに実績を出している。筑駒、麻布、武蔵、早稲田、慶應中等部、渋幕ほか、上位人気校を総なめにした。なぜそんなことができたのか。代表の伊藤潤さんに話を聞いた。

「中学受験塾の授業は長すぎるとずっと思っていました。夕食を家で食べるという条件の下でもやれることを示せれば、過当競争に歯止めをかけ、世に言われる中学受験残酷物語をなくせるんじゃないかと思いました」(伊藤さん、以下同)

ライバルとの競争のなかで、子どもの負担はどんどん増えていく。まるで大食い競争だ。親は、箸の手が止まった子どもの口にできるだけ詰め込むテクニックを競う。子どもが壊れるギリギリのラインを見極めながら勉強させる様子はまるでチキンレースだ。素人がやるには危険なので、メインの中学受験塾とは別に個別指導塾や家庭教師の手を借りるケースも、いまや当たり前になっている。

花まる学習会代表の高濱正伸さんに初めてプレゼンをしたのが2017年夏だった。そこから、毎月の議論を重ね、1年半の時間をかけて練り上げた。2019年の2月に新5年生のみを募集してスクールFCお茶の水校でスタートした。

1コマを40分間に圧縮するために、一人ひとりの状況を把握した授業準備が欠かせないと考えた。そこで、家庭で取り組んだ課題ノートをオンラインで提出してもらい、授業前までに講師が確認し授業に生かす「デジタルノートチェック」のしくみを構築した。事前学習のための映像授業も一部取り入れている。

次ページ集団授業をベースに多層的な個別指導を融合
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