JR3社の業績は底堅いが、リニアや非運輸などの設備投資負担が重く財務改善ペースは緩やかに《スタンダード&プアーズの業界展望》


財務の改善ペースは鈍化していく見通し

JR東日本については、鉄道事業の事業基盤の拡大中心に投資を行ううえ、非運輸事業での成長投資に対する投資判断の基準は保守的であると評価していることから、財務の規律が大きく緩むことは想定していない。また、当期利益の増加から、株主資本の増加が期待できるとみている。しかしながら、営業キャッシュフローの水準が、2年前より低下した状況が続くなか、設備投資は高水準で推移する計画であるため、有利子負債の削減は緩やかになるだろう。資本・負債構成としては着実に改善が続くとスタンダード&プアーズはみているが、改善ペースは過去数年と比べると緩やかとなる見通しである。

JR東海は、長期的に東海道新幹線バイパスプロジェクトを着実に推進するために、当面は財務の改善を優先する方針である。ただし、今期の営業利益は前期比で微減計画であることから、有利子負債の削減幅は小さくなる見通しである。JR西日本も、営業利益はほぼ前期並みにとどまるが、持続的な発展を目指し、安全投資や2大プロジェクトへの投資を計画どおりに実行していくため、有利子負債残高はやや増加する見通しである。

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