デフレの真の要因は人口の減少、移民政策へ本格議論を

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デフレの真の要因は人口の減少、移民政策へ本格議論を

なぜ、日本だけデフレが続くのか。リーマンショック後、主要国の消費者物価はマイナスに転じたが、昨年末に日本を除くほとんどの国でプラスに戻っている。また、1990年代以降では日本の消費者物価はおおむね先進国平均より2~3ポイント低い水準で推移している。これは日本の経済政策のミスによるものなのか。

「人口要因の影響が大きい」と第一生命経済研究所主席エコノミストの熊野英生氏は指摘する。日本の人口は消費者物価の低下傾向とリンクするように90年代以降、増加率縮小・減少が進んだが、日本を除く先進国ではその間おおむね前年比0・5~1%の伸びで人口増加を続けている。実質GDP、失業率、需給ギャップとの相関で比較しても、人口要因と物価との連動関係が最も強く出たという。「人口減少は需要不足を通じて物価下落に結び付く作用がある。さらに、期待成長率の低下を通じて設備投資を慎重化させ成長率を抑制する」と熊野氏は説明する。

政府は昨年11月の「デフレ宣言」以降、デフレ退治への姿勢を鮮明にしているが、その解決への責任を負っているのはもっぱら日銀の金融政策である。日銀は12月に国債などを担保に0・1%の固定金利で3カ月の資金を貸し出す新型オペを導入、3月にはこの限度額を20兆円に増額する追加緩和策を取った。

しかし、「金融政策の効果は限られている。デフレ脱却には需給ギャップ解消とともに、人口政策の抜本的強化が不可欠」と、みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は主張する。

2009年10月現在、日本の総人口は1億2751万人で前年比0・14%減と2年連続の減少、女性人口が初めて自然減になるなど本格的な人口減少時代に突入した。

高齢化を踏まえると事態はさらに深刻だ。生産年齢人口(15~64歳)ではすでに95年にピークをつけたが、今後50年間年平均1・2%程度のペースで減少を続け、2055年には4595万人と現在のほぼ半分になる(国立社会保障・人口問題研究所、06年中位推計)。これから日本は世界が経験したことがないスピードで人口減少・高齢化が進むのだ。

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