退院後の食事で「作る側」が注意すべき6つの点 最初は分割食、大切なのはどのくらい食べたか

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ポイント5
食品衛生に注意

胃酸は強い酸性による殺菌力を持っていますが、手術後は、その胃酸の分泌が減ったり、分泌されなくなったりしています。手術後は、食品の消費期限を守り、傷んだものを食べない、野菜・果物などはよく洗浄するなど一般的な食品衛生に注意するようにしましょう。また、手術前から、ていねいな手洗いとうがいを習慣づけておきましょう。

ポイント6
大切なのはどのくらい食べたか、慣れてきたとき安心しないように注意

食事に関する注意点は理解し、頭に入れておかなければなりませんが、体はだんだんと胃の変化に慣れていくようになるものです。神経質になりすぎて、いつまでも油物を避けたり、手術前の半分程度しか食べないというのではなく、体調に応じて食事の内容や量を増やし、手術前の食事内容に近づけていきましょう。

術式にもよりますが、だいたい数カ月〜1年程度でかなりの人が手術前に近い食事ができるようになります。残念ながら胃は復元されませんが、体には対応する力が備わっています。

とはいえ、体調もいいし、慣れてきたからと安心して、つい食べ過ぎないように注意しましょう。

「何を食べたか」よりも、「どのくらい食べたか」が大切で、どんな食品でも、一度にたくさん食べたり、しっかり噛まずに早食いしたのではトラブルは避けられません。

その人、その人の置かれた状況に合わせて、友人や家族との食卓も楽しみながら、焦らず進めていくようにしましょう。

「患者さんにとっての」手術後の食事を楽しむ8つの基本

1|新しい体に慣れよう

退院してからが本当の意味での胃を切除した生活の始まりです。自宅に戻り、料理を作ったり、食事の準備をするだけでも試行錯誤することがあると思いますが、自分の力で、自分の体に慣れる気持ちで、新しい食べ方を身につけていきましょう。

2|食べて、動く!

手術後は、体重が減少することがありますが、筋肉が落ちてしまうことも心配です。吸収された栄養素がしっかり血液や筋肉となるためには、適度な運動が必要です。「食べて、動く」を心がけ、無理のない程度に体を動かしましょう。体を動かすと食欲もわきやすく、食事がよりおいしく感じられるようになります。

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