退院後の食事で「作る側」が注意すべき6つの点 最初は分割食、大切なのはどのくらい食べたか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ポイント2
ゆっくり食べましょう

ゆっくり食べるとは、よく噛んで食べることです。胃がなくなったり小さくなったりした分だけ、腸にかかる負担を少しでも軽くするために、食べ物をよく噛み砕くようにしましょう。よく噛めば、唾液と食物がよくまざり合い、栄養が吸収されやすくなります。

また、食事をゆっくりとのみ込む時間の分だけ、胃から腸へ送り出される間隔がゆっくりになることにもつながるため、つかえ感やダンピング症候群の予防にもなります。よく噛んで食べることは、食べ過ぎによるトラブルも予防できます。

ポイント3
食事は規則的に、バランスよく

規則正しく生活し、食事はできるだけ一定の時間に摂るようにしましょう。時間が一定だと体も食べ物の受け入れ準備をしやすく、食べたものの栄養を十分に吸収し、活用することができます。よい便通を図るためにも大切です。

逆に、生活が不規則になると、食事時間が乱れて多食や少食の原因にもなり、便通のコントロールも乱れがちです。できるだけ毎食、主食と主菜、副菜をバランスよく組み合わせて、十分な栄養が摂取できる食事を心がけましょう。食事からの十分な栄養が体の回復を助けます。

しかし、食べたくないとき、体調が悪いときもあると思います。そのような場合は無理をせず、時間をずらす、1食抜くなど、体調に合わせて進めていくことも大切です。

ビールは飲んでもいい?

ポイント4
油料理、繊維質も少しずつ

絶対に食べてはいけない食品はありませんが、避けたほうが無難なもの、気をつけるべき食品はあります。揚げ物などの油料理や、こんにゃく、きのこ、ごぼう、たけのこ、さつまいもなど、かたく食物繊維の多い食品は、消化に時間がかかるため、退院後すぐは避けたほうが無難です。体調を見ながら、少しずつ段階的に増やしていきましょう。小さく切ったり、やわらかく煮込んだりして、食べやすく消化しやすい形に調理を工夫してください。

とうがらしやアルコール、炭酸飲料など消化器に刺激が強いものは少量ずつ試してみましょう。特にビールは、炭酸で満腹になって肝心の食事が入らなくなる恐れがありますので、食事に影響を与えない程度から、ごく少量ずつ、体調や酔い方を自分で確認しながら飲むようにしてください。コーヒー、紅茶、日本茶の濃いものは避け、薄めにして飲みましょう。かき氷やアイスキャンデーなどの冷たいものも、ゆっくり口の中で溶かしながら食べるように気をつけてください。

次ページ手術後は「消費期限」を厳守
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事