トヨタ「GRヤリス」でワインディングを攻め倒す! 4WDターボの走りをターザン山田がぶった斬る!

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雪道やダートも4WDの性能が体感できるシーンだろう(東洋経済オンライン編集部撮影)

:レーシングドライバーとして、峠でアタックするときにクルマに求める要素がある。ひとつ目は、パワーがあり、低中速トルクがあり、レスポンスに優れた柔軟なエンジン特性。ふたつ目は、狭く、荒れた路面状態に対応した4WD特性と前後デフのバランス、サスペンションのバランスとサスペンションストロークだ。

それは、WRCというモータースポーツでも絶対必要な要素だけど、GRヤリスからできのよさを感じられた。ただ、これだけ最高なのに少し物足りなく感じさせられることがある。272馬力というパワーでは、安定しすぎて何も起こらない。よく言えば圧倒的な安定感だけど、1000psのモンスターチューンドも乗りこなしてきた俺から言わせれば物足りない(笑)。だから300馬力や400馬力以上あるGRヤリスに乗ってみたいというのが本音かな。

やっぱりパワーがほしい!今後のチューニングに期待!

峠を走るGRヤリス(東洋経済オンライン編集部撮影)

:助手席から見ていてもオンザレール感がすごくて、峠なのに破綻するようなシーンもゼロでしたね!たしかにもっとパワーがほしいという気持ち、すごくわかります。それにGRヤリスのエンジンは、ブースト圧を上げれば400psが狙える潜在能力を持っているみたいですよね。スーパー耐久で走ったレーシングカーや、チューニングカーでも400psくらいのクルマはありますよね。ただ、ブーストアップのために必要不可欠なコンピューターチューニングが大変みたいですが(汗)。

:だからこそ、日本はもちろん世界中のチューニングショップやメーカーに頑張ってもらいたいよね。カスタマイズしたGRヤリスを走らせるのが本当に楽しみ!チューニングカーに乗り続けてきた身としては、やっぱりパワーが物足りない(笑)。今回装着されていたフジツボ製マフラー、クスコ製サスペンション、ウィンマックス製ブレーキパッド、ブリッド製バケットシート、ヨコハマ製タイヤ&アルミホイールで、すごくかっこよく、性能も向上していると思う。また、MKカシヤマ&ウィンマックスのデザインが施されたカラーリングもかっこいいよね!その先にある本当のチューニングカーが現れるのを期待しちゃうよね!

:ということで、今回は高速道路&峠での試乗インプレッションをお届けした。次回は、サーキットでの限界性能を探る!ちなみにターザン山田氏は、この試乗インプレッション企画のあと、さまざまなチューニングメーカー&ショップのGRヤリスにも乗る機会があったそうで、そのあたりも含めてサーキット性能に加え、チューニングの可能性や方向性も執筆してもらう予定だ。

次回はサーキットでのGRヤリスの試乗インプレッションをお届けするので、乞うご期待!(東洋経済オンライン編集部撮影)
山田 英二 レーシングドライバー

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やまだ えいじ / EIJI YAMADA

1962年4月25日生、奈良県出身。ターザン山田の愛称でも親しまれる。レーシングドライバーとして1979年から現在に至る。フォーミュラカーでスタートしたレース人生は、数多くの勝ち星やチャンピオンを世界中のサーキットで獲得。日産やスバルの契約ドライバーとして活動し、フェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニなど数多くのレーシングカーのドライバーも務める。タイムアタックWTACオーストラリアで2年連続世界チャンピオンにも輝いた。日本は勿論アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、中国など世界のサーキットを今も現役で活動している。

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