14歳の自分に伝えたい「お金と仕事と経済」の本質 働いて稼いでなくても経済を立派に動かしている
ここで、缶詰をクルッと回転させてみます。すると裏面には別のラベルが貼ってあります。ラベルには「未来」と書かれています。
そう、お金は「過去の缶詰」であるのと同時に、「未来の缶詰」でもあるのです。
今手元にあるお金を使って、部活に必要な道具を買ったり、観たい映画を観に行ったり、アイドルのグッズを買ったり、コンビニでお菓子を買ったり、本を買ったり。僕たちは新しいものや体験を手に入れることができます。これらはすべて「未来への選択」。つまり、「お金を使って何をするか」という選択が、君の未来を形づくっていくのです。
お金とは、過去を表し、未来を創るもの。過去と未来のつなぎ目にお金がある。そう考えると、とてもドラマチックな魔法を僕たちは手にしているように思えませんか。
人の幸せを左右する「おっかねー」もの
一方で、お金は「おっかねー」ものでもあります。
おやじギャグだと笑わないでくださいね。これは僕が初めて就職した会社で、実際に先輩から言われた言葉です。その会社は、お客さんから預かった巨額のお金を使って投資する会社で、先輩は預かり金の運用を任されるファンドマネージャーという仕事をしていました。
変なギャグを言う先輩だなと思ったけれど、10年くらい仕事を続けていると「たしかに、先輩が言ったとおり、お金は“おっかねー”ものだな」と、その意味がわかるようになりました。先ほどお話ししたように、お金は未来の自由な選択を可能にする素敵な缶詰です。
しかし、だからこそ争いの元にもなる。たくさんのチャンスを運んでくれると同時に、それを欲しがる友達と喧嘩になったり、国同士が戦争を起こしたりするきっかけにもなる。
世界で今起きている戦争は、「お前だけ富を独占するのはずるい」「いや、譲らない」といった経済的利権の争いが引き金になっている場合がほとんどです。会社だって、どんなに仲がいいチームで働けていたとしても、お金が尽きてしまうと解散するしかなくなってしまう。人々の幸せを大きく左右する、おっかねーもの。それもまたお金の本質です。だから、取り扱いには要注意。
でも、お金がチャンスもリスクも呼ぶものだとよく理解して丁寧に向き合うことができたら、きっと君の人生の味方になってくれる。
缶詰の中身を豊かにするかどうかは自分次第。そんなお金が、僕は好きだし、実に面白いなあと思うのです。
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