14歳の自分に伝えたい「お金と仕事と経済」の本質 働いて稼いでなくても経済を立派に動かしている
この世に生まれてから14年間、完全な自給自足で、誰とも交流せずに過ごしてきたという中学生はいないでしょう。人やモノと関わっている時点で、立派に「経済に参加している」と言えるのです。
中学生どころか、生まれたばかりの赤ちゃんだって、ミルクを飲み、オムツを代えてもらい、泣けばお気に入りのオモチャを差し出されます。これだけでも、ミルクをつくる会社、オムツをつくる会社、オモチャをつくる会社の売り上げを支えている。赤ちゃんが一つの産業を成り立たせているのです。
僕は世の中の誤解を解きたい。
「働いて稼がなければ経済に参加していない」なんて大間違いだと、声を大にして言いたい。
専業主婦・主夫の人が「私は働いていないから、社会に参加していない」と言うのを聞くと、つい「そんなことはありませんよ」と話をしたくなります。
生きて消費をしているだけでたくさんの人を支えている
専業主婦・主夫という“仕事”は、働くことに集中するパートナーに代わって、その人の分まで家事や育児を担うという生き方なのだから、それだけでも十分に立派な社会参加です。また、もし家事や育児をしていなかったとしても、生きて消費をしているだけで、家族以外のたくさんの人を支えていることになります。
お年寄りだって同じです。「定年退職したから、もう世間の用なしだよ」なんて言っているおじいちゃんに対しても、そうではないと訴えたい。
もっと言えば、世間で冷ややかな視線を浴びがちなニート(就学・就労をせず、職業訓練も受けていない状態)にあたる人たちも、消費者としての社会参加は日常的にしています。
寝たきりで身体の自由がきかない人であっても、治療や療養を通じて経済に深く関わっています。
消費がなければ、経済は動かない。
人間は生きている限り、無条件で誰かを支えている。そこには年齢も性別も就労の有無も関係がない。すべての人が、誰かを支えている。この相互扶助の考え方、つまり、互いに助け合う「互助」の関係こそが「経済」の基礎です。
経済とは、人と人が支え合う営みのことなのです。
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