「昔を懐かしむ人」を批判してはいけない納得理由 ノスタルジア(郷愁)は、実は脳の健康に効く
カーネル・サンダースとKFCの大成功
KFCレストランの屋根の上で今も回るチキンバーレルの看板を見ると、わたしはいつも郷愁(ノスタルジア)を覚える。幼い頃のわたしは、母と一緒に、よくKFCレストランに行った。当時、カーネル・サンダースはまだ健在だったが、会社をすでに売却していた。
自分の手を離れてからKFCのチキンはひどいものになってしまった、と彼は立腹していた。同社のエクストラ・クリスピーチキンを「まずい練り粉でくるんだチキンの揚げ物」とこき下ろしたほどだ。
それはともかく、彼は、控え目に言っても多彩な経歴の持ち主だった。タイヤを売り、ホテルを買い、フェリーボートの会社を設立し、ペンキ塗りをし、結婚を数回経験し、戦地では死者が出るような激しい銃撃戦に巻き込まれた。
だが、サンダースが大いなる成功を収めたのは、年金をもらえる年になってからだった。まさに脳にとっていい、「引退しないことの威力」を体現したのだ。彼は1952年、62歳でフランチャイズビジネスを始めた。その後10年にわたって独自のレシピを全米の店にセールスしてまわり、ついには数百のフランチャイズ店を抱えるまでになった。
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