ランニングをやめると後悔する10の理由 「走らない」を選択した人の利益と損失を考える

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仕事以外で「頑張る」機会が少なくなる

達成感と共通する部分でもあるが、レースに出場したときなどは「頑張る」ことができる。社会人になると、仕事以外で「頑張る」機会はそれほど多くない。ランニングをやめると、頑張る自分に出会える機会が少なくなってしまう。

ワクワク感が減少する

この先にどんな景色が待っているのか。初めてのコースを走るときは、こんなワクワク感がある。しかし、走るのをやめてしまうと、冒険心が低下する。旅行でもしなければ、知らない道を歩く機会はほとんどない。走るのをやめてしまうと、ワクワク感も減少してしまうだろう。

 ランニングをやめても、上記のすべてを実感する人は多くないかもしれない。しかし、必ず数個は実感するはずだ。そのほかにも購入したウエア、シューズ、腕時計などのギアも無駄になってしまう。逆に“利益”はなんだろうか。筆者は、「ランニングをやめてよかった」という人を知らないが、走っていた「時間」をほかのことに活用できるのはメリットだろう。「走らない」を選択するなら、上記の損失を補えるような時間の過ごし方をしなければ、“黒字”は見えてこない。

“利益”と“損失”を考えた場合、ランニングを続けるべきか、やめるべきか。どちらが得なのかは、賢い読者ならわかると思う。もちろん、走ることを、サイクリングや水泳などほかのスポーツに替えるのもアリだ。しかし、最も手軽なランニングを続けられなかった人が、ほかのスポーツを継続するのは難しいだろう。

この暑さを考えると、運動頻度や走行距離が減るのは仕方がない。ただ、「暑いから休もう」じゃなくて、「涼しい時間帯に少しでも走ろう」というポジティブな思考を持ってほしいと思う。またランニングから遠ざかれば、遠ざかるほど“復活”は難しくなる。無理をする必要はないけど、心地よい秋風が吹く頃、快適に駆けられるように、この夏は少しでも走っておきたい。

酒井 政人 スポーツライター

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さかい まさと / Masato Sakai

東農大1年時に箱根駅伝10区出場。現在はスポーツライターとして陸上競技・ランニングを中心に執筆中。有限責任事業組合ゴールデンシューズの代表、ランニングクラブ〈Love Run Girls〉のGMも務めている。著書に『箱根駅伝 襷をつなぐドラマ』 (oneテーマ21) がある。

 

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