ABCマートが確立した勝利の方程式

激戦の靴市場で初のトップへ、“流通優位"がここにも

「ABCマート」。黄色を主体にしたカラーリングが特徴の靴専門店だ。全国に約700店を展開し、主要な繁華街やショッピングセンターで必ずと言っていいほど見掛ける。国民的アイドルグループ「AKB48」の人気メンバー、篠田麻里子さんをイメージキャラクターに起用したテレビCMや雑誌広告などで知名度も上がってきた。

そのABCマートを運営するエービーシー・マートの業績が絶好調だ。1月9日に発表した2012年3~11月期(第3四半期)決算は、売上高1161億円(前年同期比13%増)、営業利益227億円(同14%増)と大幅な増収増益で、今期の決算が締まる13年2月期は、売上高で「東京靴流通センター」などを展開する最大手のチヨダを抜き、靴販売店で初の首位に踊り出る見通しだ。

ダンスやランニングなど追い風以上の伸び

足元の靴業界には追い風が吹いている。中学校でダンスの授業が必修化され、ダンスシューズという新たな需要が拡大している。いまだ冷めやらないマラソンブームで、ランニングシューズ市場も成長を続けている。

だが、ABCマートの成長は突出している。というのも、売上高成長率は年10%以上を続け、儲けの効率を示す営業利益率は約20%と、小売業としては驚異的な数字を誇る。なぜ、これだけの好調が実現できているのか。秘訣は緻密に組み立てられた商品戦略にある。勝利の方程式を解くキーワードは、「囲い込み」だ。

一つは独自ブランドの存在である。ABCマートには主力と位置づけて育成してきた「VANS(バンズ)」と「Hawkins(ホーキンス)」の2大ブランドがある。これは1990年代に商標権を取得した。バンズはほかの小売店にも卸しているが一部にとどまり、ホーキンスについてはABCマートだけで独占販売している。

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