SOMPO「働き方改革三種の神器」を極める戦略 男性育休・ジョブ型・テレワークの先陣を切る

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小室:今、大企業のほとんどが、平均すると男性が育休の日数が2日くらいなんですね。それでは妻の命は救えませんから、本質的な期間の育休を取得できるように、今申し上げたような知識を父親学級等でプレパパに知らせてあげてほしいですね。

櫻田:私も初めて知りました。

小室:本当ですか。かつては妻の両親や地域社会が一緒に子育てをしていたので、7時間寝かせてくれたんですが、核家族になったなら夫と2人体制じゃなきゃ無理なんです。

櫻田:2週間なら企業は全員に取得させることができそうな気がしますね。

小室:新潟の150人の、サカタ製作所は、仕事の属人化解消をしっかりやりましたら、業績は伸び、男性育休取得率100%になり、従業員のご家庭で生まれる子供の数が4.5倍になったんです。この国の少子化対策の大きなポイントは、男性育休なのです。

熟年離婚のメカニズム

櫻田:1人目の育児で夫への愛情が冷めないことが重要なのですね。

小室:そうなんです。私も一度は本当にこの人となんか二度と暮らせないって、

(一同笑う)

小室:思いました。でもそのあと、私は産後うつだったんだと気づきましたね。夫がせっせせっせと朝ごはん作ってくれる人になり、7時間睡眠を取れる日が増えたら冷静になってきて「あれあれ?」と。何てひどいことを言っていたんだろう。真夜中に毎日喧嘩してしまったとびっくりしました。ここで関係が戻らないまま何年もたつと熟年離婚まっしぐらです。お給料を持って帰ってくるうちは我慢して、最後に「さようなら」という。

櫻田謙悟(さくらだ けんご)/SOMPOホールディングスグループCEO取締役 代表執行役社長。1956年、東京都生まれ。78年早稲田大学商学部卒業、安田火災海上保険(現・損害保険ジャパン日本興亜)入社。2010年損害保険ジャパン代表取締役社長。12年NKSJホールディングス(現・SOMPOホールディングス)代表取締役社長。15年会長などを経て2019年6月より現職。経済同友会代表幹事(2019年4月より)も務める(撮影:梅谷秀司)

櫻田:お産直後が、産後うつ回避のためにも夫婦の良好な関係維持のためにも重要ということですね。

小室:熟年離婚を妻が考え始める時期は、実は育児期からなんです。だから産後1年は、夫婦の人生を変える1年なんですよ、1人目の子供が生まれた社員に、人生の先輩として、ぜひ教えてあげてください。

櫻田:2週間ないし1カ月の育休を積極的に推進しよう。必要ならテレワークをうまく使いましょうと。

小室:臨時稼働ならば月間80時間までは働きながら育休をすることができます。そうすると、育休給付金ももらえて、手取りの約8割は保証されています。

櫻田:育児休業給付金は、育休取得をする社員の大きな安心要素になりますよね。グループ会社の1つである損保ジャパンの男性育休取得率は53%ですが、まだまだ力を入れて100%を目指したいと思います。また、取得率だけにこだわって形骸化しないよう、産後2週間の期間取得を後押しする取組もやりたいと思います。

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