堀江貴文「僕が西野亮廣さんをスゴイと思う理由」 それは才能でも努力でも、運でもない

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

3つ目は、成熟した資金調達市場だ。日本は世界の中でも、スタートアップ企業への投資が盛んな国だ。不況だとも言われているが、ネット関連企業に数十億円が投資されるケースも少なくない。近年はベンチャーキャピタルが組成するファンドに、機関投資家も加わり、ファンド規模は拡大している。

僕たちの会社も、さまざまなアイディアを駆使して14億円ほど集められた。資金繰りの成果としては上々だが、日本では宇宙産業への投資熱はまだまだ低いので、これからの伸びを期待したいところだ。

4つ目は、参入障壁の低さだ。日本は早い段階で、スタートアップ企業が宇宙開発に参入できる環境を整えた。政策レベルでも後押しされたのは、非常に大きい。僕たちのような新興の会社でも、実績を見せれば、JAXAと共同実験ができるようになった。

スタートアップの最大の強みは、失敗してもいいところだ。JAXAのような国家事業の組織になると失敗は許されず、基本設計はほとんど変えられない。だが、これがスタートアップ企業のトライアルであれば、失敗と改善のサイクルを回して、どんどん新しい設計のロケットを試すことができる。ロケット開発においては、むしろ大資本の会社よりも、スタートアップのほうが技術で先行できると思う。

思考を鍛錬し、無理ゲーさえもひっくり返す

民間の手で、徹底した至便性を追求する。これが僕らのロケットの特徴であり、市場のゲームチェンジャーになれる戦略だと確信している。宇宙産業で日本と競争できるのは正直、アメリカと中国ぐらいだ。この分野なら、大勝ちできるチャンスがある。

「ロケット事業なら、日本で世界に勝てる!」と他人よりも早く気づいたのは、膨大な情報を処理しながら、思考の鍛錬を怠らなかったからだ。

資金面や開発、人材集めなど、運営は大変なことも多いが、宇宙事業をやりきる気持ちにおいて、僕らは決して折れない。

民間の宇宙事業はまず成功しないと昔から言われてきた。無理なビジネスをしないで、シンプルに儲かる事業をやるべきだとも言われた。

まったくわかっていない!

約20年前、同じように無理だと言われたアメリカのスペースXが、現在は巨額の資金を集め、有人宇宙旅行の実現寸前まで到達していることを知っているだろうか。いま、やりきれば、日本はロケット開発で世界に勝てるチャンスがあるのだ。

次ページ宇宙産業でゲームチェンジャーになれる道筋
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事