堀江貴文「僕が西野亮廣さんをスゴイと思う理由」 それは才能でも努力でも、運でもない

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けれど、映画館で「えんとつ町のプペル」を観た後で、考えが変わった。上映時間の100分間で、僕は覚えているだけで4回、泣かされた。この作品の感動についてはSNSでみんな熱く語っているから、僕があらためて言及する必要もないが、何より素晴らしいのは、「とにかくすべてが世界標準でつくられている」ということだ。

キャクラターも、ストーリーも、CGのクオリティも、海外市場で戦うことを視野に入れて、企画の段階から周到に準備したうえで制作されている。孤独な少年とモンスターが固い絆を結ぶという、シンプルな友情のストーリーに、STUDIO4℃がつくり上げたハイクオリティなビジュアル。毎年、ハロウインの時期になると繰り返し観られるような世界観に仕上がっている。

ディズニーを倒すという、壮大なゲーム――。以前から西野さんが熱く語っていた、このゲームをクリアするための道筋が、本当に見えてきた気がする。西野さんは、このゲームをやりきるのではないか。僕は、そう思う。

君たちも、彼らのように、ゲームをチェンジする側に立ってほしい。天才的な起業家であろうと、会社員であろうと、ゲームの原理原則は変わらない。

やりたいことに巻き込むセンスと、情熱。それを頼りに、自分のゲームをとことんやりきる。これが勝利の条件だ。

ビジネスとは、「情熱と戦略を駆使したゲーム」

目の前のゲームが手詰まりだったら、さっさと別のゲームをつくって有利に勝負する。この考え方は、僕が手掛けているビジネス投資の戦略にも大いに役立っている。

僕がゲームチェンジャーになれる確信を持って取り組んでいるのは、宇宙事業だ。なぜ僕がそのゲームに飛び込んだのか、少し長くなるが話したいと思う。

他の著書などでも触れている通り、宇宙産業は日本という国において非常に有望で、世界に勝てる数少ない産業だ。理由としては、次の4つが挙げられる。

1つ目は、射場の最適な立地的条件だ。ロケットの打ち上げは地球の自転速度を利用するため、世界中どの国でも、東の空に向けて打つことが多い。比較的低緯度でアジアの東端に位置する日本は、かなり効率的にロケットの打ち上げが可能だ。

2つ目は、ロケット部品の国内製造能力の高さだ。日本では基本的に、すべての部品を国内調達できる。輸入に伴う税関手続きや移送コストを大幅に削減して、スピーディーな組み立て・打ち上げが実現可能だ。その点、移送コストなどがかさむ欧米の国々を大きくリードしている。

次ページ3つ目、4つ目の理由
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