「うさぎ跳びを選手に強要する」指導者の無教養 「キツイだけの練習」は時間の無駄にすぎない

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「うさぎ跳び」のようなきついトレーニングを強要してはいけない理由とは(写真:m.Taira/PIXTA)
なぜ「うさぎ跳び」のような「きついトレーニング」を選手に強要してはいけないか? 選手、コーチ、監督などさまざまな立場からプロ野球業界を盛り上げてきた横浜ベイスターズのファーム監督・仁志敏久氏が解説。新書『指導力〜才能を伸ばす「伝え方」「接し方」〜』より一部抜粋・再構成してお届けします。

「この練習、何の意味があるんだろう?」

そんな疑問を抱いてトレーニングに取り組んだことがある人は少なくないでしょう。私も例外ではなく、野球を始めてから現役を終えるまで、その過程をたどれば数えきれないほどそんな機会がありました。何のためにやっているのかわからないその時間に意味などありません。選手たちにとって、現役である時間は限られています。指導者の思いつきや一方的な解釈の押しつけは、絶対に避けなければなりません。

なぜ「うさぎ跳び」はダメなのか?

「これは、きついからなぁ」

その練習をやらせる理由の一つに指導者のこういった安易な発想があります。“きついから”というただそれだけの理由でやらせようとしているのです。そういった代表的な練習が「うさぎ跳び」です。

言うまでもなく、何を鍛えているのか? それによって鍛えられたものはどんな時に役立つのか? おそらくですが、きついからやらせていたのだと思います。選手がヘロヘロになって、転びそうになると「さぼるな!」という罵声が飛び、クタクタになった姿を見て指導者は満足をする。

たとえば、プロ野球の“特守”と言われる守備練習も似たようなところがあります。まったく意味がないとは言いませんが、守備練習の類として考えているようであれば、考えているほどの効果はないと言えます。

前後左右、幅広い方向に何本もノックを打たれ、飛びついては起き上がってまたゴロを追う。全身泥だらけになって、最後は立っているのも精一杯というほど足元はフラフラになっており、もはやゴロを捕る形などどうでもよくなっている。守備練習というより、持久的な体力トレーニングといったほうががまだ納得できます。

「いい練習だっただろう」

終わってハアハア、ゼイゼイしながらグラウンドに倒れ込む選手にそう声をかける人もいる。果たしてこの練習に何を期待したのか?

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