1880万円貸した男が語る「安易な借金で失う物」 「人に金銭を貸すメリット」はあまりに少ない

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これまで総額1880万円の借金を受け入れ、2度踏み倒された作家の中川淳一郎さん。彼が語る「借金することで失ってしまうもの」とは?(写真:Kritchanut/iStock)

筆者はこれまで男女7人に対して合計9回、金を貸してきた。総額1880万円、戻ってきた金額は1080万円、回収率は57.4%。半分は超えるものの、やはり先人から伝わる名言「金を貸したらあげたものだと思え」は正しいな、と思う。

今回は私がこれまで貸した金と、そこから得た教訓ついて紹介する。

全額戻ってきたケース

ケース1:貸した額250万円→回収額250万円

ギャンブルにハマってしまった友人が、身の丈に合わない借金を作ってしまった。最初は50万円要求されたが、後に5社から50万円ずつ借りていることが発覚。このままでは利息地獄に陥ると判断し、250万円を貸すことに。その後、彼は心を改めて2年で完済。現在でも関係は良好である。

ケース2:貸した額500万円→回収額500万円

会社を経営する友人が銀行から融資を受けるにあたり、「口座に“見せ金”が必要だ。500万円を振り込んでくれ。審査が終わったらすぐに返す」と言う。

彼のために500万円を口座から移すも、審査終了から3週間経っても連絡が来ない。怒りのメッセージを留守電に残すと、即座に彼から「翌日、返済する」との連絡があり、無事入金を確認。以降、金の話をすることはなくなったものの、現在も関係は良好。

ケース3:貸した額100万円→回収額100万円

会社を設立した知人から、「200万円分の株を買ってくれ」と頼まれる。最初は彼を応援したい気持ちから指定された額を出資するも、途中、筆頭株主が彼に対して、筆者の持ち株比率を下げるように指示。致し方なく「100万円は出資で、もう半分は借金という形で」という条件をのむことに。

ところが、数年後に会社は潰れ、100万円分の株はほぼ紙くず同然に。100万円の返済を求めるも、「返す金はない」と言われる。いったんは諦めたものの数年後、彼が家を売り、現金を手にしたことを共通の知人経由で知る。

改めて知人経由で「あのときのお金を返してください」と伝えたら、実際に会って謝罪され、6年越しで100万円を取り戻すことができた。その後の関係性としては、共通の知人がいるため「たまに会うこともある」といった程度か。

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