胃を切除した人の「退院後の食事」で大事なこと

恐れすぎず焦らず「階段状に」食事量を増やそう

(写真:KY / PIXTA)
日本で胃がんと診断される人は、年間約13万人。うち半数が胃切除術を受けています。ほかの病気も合わせれば、毎年10万人前後の人が胃を切除していることになります。
今までのようにおいしく食事を味わうことができるのか?食べられなくてつらい思いをするのではないか――。
胃を切除した人がこうした悩みを抱えることは少なくありません。
新著『胃を切った人が元気になる献立&レシピ』では、胃を切ってから3カ月間をターゲットに、時期を追った献立の作り方、起こりやすいトラブルの克服法、さらには再発防止に役立つ食材や栄養素の知識などを紹介しています。
本稿では、同書から一部を抜粋しお届けします。

退院直後の食事量は?

入院中の食事量は、通常の1/5~1/4程度です。退院してから1週間は入院中と同様の食事量を続けてみましょう。それで順調にいくようであれば、主食、たんぱく質、野菜などいろいろなものをひと口かふた口分、量を増やしてみます。

「順調に」とはどういう状態かというと、ダンピング症状(低血糖、脱力感、めまい、息苦しさ等)もなく、むかつきなどの不快感もない、下痢もしておらず、ほどよい便通が見られることなどがポイントと考えてよいでしょう。

(画像:『胃を切った人が元気になる献立&レシピ』より)

ひと口かふた口増やした量を2、3日~1週間くらい続けてみて、ほどよい便通もあり順調なようなら、さらにひと口かふた口、増やしてみます。そしてまた2、3日~1週間、様子を見る、というパターンを気長に続けていきます。

もしも吐き気やむかつき、こみ上げ、下痢、ダンピング症状、食欲がない――などの症状が出る場合は、いったん食事を一段階前に戻し、より胃腸の負担が少ない食事内容へ少し後戻りさせます。

(画像:『胃を切った人が元気になる献立&レシピ』より)

症状がおさまり、調子がよくなって数日~1週間経ったところで、また少し量を増やしたり、より消化器への負担が大きい料理をひと口かふた口、食べてみる――というように、3歩進んで2歩下がる気持ちで、次第に食べられる食品の幅を広げ、食事量を増やしていってください。もちろん目標は、いろいろな食物を、手術前と同じ量に近づけるように、また、自信を持って食べられるようになることです。

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