マンションは「ハード」でなく「ハート」で守れ 有志のマンション理事たちが叫ぶ"災害への備え"
7月12日土曜日の昼下がり。東京都荒川区の汐入公園内にある防災センターに、たくさんの人の姿があった。中をのぞいてみると、そこではマンションの防災に関する勉強会が開かれていた。
会場内は90名を超える人の熱気でむんむん。理事経験者や現役の理事、マンション管理会社の職員など、幅広い年代の人が出席していた。主催者は、首都圏を中心に約50マンションの理事会の役員経験者で構成される「RJC48」という団体だ。
東日本大震災をきっかけに防災の重要性は認識されているものの、「どこから手を付けてよいのかわからない」「具体的な防災訓練の手順はどうすればよいのか」と悩んでいる理事が多いようだ。ここで話し合われていた内容は、その解決策の糸口となるものだった。
超高層マンションの悩み
勉強会の第1部では、3人の理事から防災訓練の事例紹介があった。
まず、地上58階建ての超高層マンション「ザ・トーキョー・タワーズ」(中央区勝どき、総戸数2794戸)から、今年3月に実施した防災訓練、安否確認の内容について説明があった。
防災イベントの当日は起揺車(強い揺れを体感することができる車)が出動したこともあり、600名もの住民が集まり全般に賑わったようだ。
ただ、震災が起きたことを想定し、マンションの各戸口に「安全確認ステッカー」の貼り出し訓練を行ったところ、その表示率はわずか30%でしかなかった。「防災対策本部と居住者の連携をどのようにしていくのか。また、どうすれば表示率を高めることができるか」と、同マンションの本瀬正和さんは今後の課題を口にした。
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