中古マンション市場急拡大に潜む落とし穴 「新築神話」が強い日本に中古が普及。だが課題も
「中古物件のマーケットデータはありますか」。ある不動産調査会社では、このような問い合わせが今年に入り急増している。昨年までは1件もなかったという。依頼主は、大手から中小まで広範囲にわたる不動産デベロッパーだ。
中古マンション市場に本腰を入れるデベロッパーが、ここに来て増えている。三菱地所や長谷工コーポレーションは従来の中古物件の売買仲介に加え、中古を買い取ってリノベーション(全面改装)後に販売する「再生・販売」事業に参入した。中小やベンチャー企業もこの分野に数多く進出している。
デベロッパーがこぞって参入するのは、中古市場が急速に拡大しているからにほかならない。
「ちょっとしたブームだと思う」。中古マンション再生・販売の大手、インテリックスの山本卓也社長は現在の市場動向についてこう語る。同社が毎月開催する説明会や見学会は、30~40代を中心に参加希望者が絶えない。特に昨年10月以降は、定員数を大きく上回る申し込みが続く。
東日本不動産流通機構の調べによると、2013年の首都圏における中古マンション売買成約件数は、前年比5035件増の3万6432件と、2年連続で過去最高を更新した。03年から12年までの増加件数は5113。つまり、過去10年分の伸びを昨年1年間だけで上回った格好だ。
「急成長した反動が出るかもしれない」と、インテリックスの山本社長は先行きを慎重に見るが、「市場の勢いは継続しそうだ」(東京カンテイの井出武・主任研究員)とする関係者も多い。
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