建設業界の現状は「ウハウハ」ではない

大成建設社長が語る「ゼネコン活況」の現実

目下の活況にも、山内社長の表情には緩みがない(撮影:今井康一)
建設業界が久々の熱気に沸いている。アベノミクスによる公共事業の復調に続き、2020年の東京五輪開催、2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の建設など、追い風が続く。その一方で、労務費や資材費の高騰が業界の懸念材料となっており、各地の公共工事では入札不調も相次いでいる。
週刊東洋経済は2013年12月7日号(12月2日発売)で「浮かぶゼネコン 沈むゼネコン」と題した特集を組んだ。建設業界の主役であるスーパーゼネコンの経営トップは現状をどう見ているのか、大手5社の一角、大成建設の山内隆司社長に聞いた。今回はその拡大版を掲載する。

建設業界はオーバーカンパニー

――現在の景況をどう見ていますか。

今年になってからお客さんのところを回ると、必ずその質問が出る。日本経済新聞の景況欄はもう数年来、ずっと「土砂降り」だった。これはもう困ったもんだと思っていたが、今年の正月は久方ぶりに雨がなくなっていた。雲の脇からお日様がのぞいているような。これは随分変わったなというのが実感。他社も同じような感じを持っていると思う。

ただ、民間の工事は激烈な競争が続いている。本当にそんな値段でできるのかと思うような値段で、仕事を取っている会社がある。単純にいえば、オーバーカンパニーが理由だ。供給過剰の状態が続いている。だから、景況がよいといっても、ほかの業界から見たら建設業界の利益率は高くない。供給過剰の構造が基本的には解消されていないからだ。

――今後は五輪やリニア新幹線関係の工事が期待できます。

東京五輪が決まったのは、確かにプラスだ。しかし、すぐ仕事が出てくるわけではない。どんなに早くても工事を発注できるのは2年後。まだ実需は伴ってない。リニアは工事のボリュームはあると思うが、かなり長期間の工事なのでもろ手を挙げて喜ぶような状況ではない。お客さんは「建設業界はもうニコニコしてウハウハだろう」と言うが、「いや、そうじゃありませんよ」ということを申し上げている。

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