「怒りでパニック」の子を落ち着かせる簡単な方法 長期間の「ネガティブ感情」にはサポートが必要
また、子どもの脳が戦闘態勢となっているとき、体に触れることが役立つ場合と、役立たない場合があります。役立つときにはギュッと抱きしめたり、背中をなでてあげたりします。安全だよ、大丈夫だよ、というメッセージを体に送ってあげるのです。
一方で、触れられることを嫌がることもあります。これも当然の反応で、体は戦うか・逃げるか・固まるかという状態になっていますから、たとえ親であってもとっさに「敵だ!」と感じて体に接触されるのを危険と判断することもあるからです。そのような場合は、近くから見守りながら、一緒に子どもに合う落ち着ける方法を行うとよいでしょう。
ネガティブ感情が頭にこびりついたときの落とし方
先ほどのきょうだいゲンカのように、爆発的に湧き上がる「怒り」のようなネガティブ感情もあれば、日々のストレスがたまって、イライラ、モヤモヤすることもあるでしょう。すぐに問題解決できれば心の健康にとってはよいのですが、人生にはすぐに解決できないことや、自分にはどうにもできないこともあります。すると、その出来事ばかり考えてしまい、ネガティブな感情や考えからなかなか抜け出せないことがあります。
この状態を「反すう」と呼びます。嫌な出来事が目の前で起こっているわけではないのに、頭の中でずっと考え続けてしまうと、つねにストレスを心身に与えている状態となり、ストレス解消から遠ざかってしまうのです。この反すう状態によって、うつのリスクや自己批判的な傾向が高まるとも報告されています。
そのため、子どもが反すう状態になっていることになるべく早く気がつき、そこから抜け出すサポートをしていくことが大切なこととなります。
何があったのかわからないけど、どうも子どもがイライラしているとき、「どうしたの? 何かあった?」と、根掘り葉掘り無理に聞き出そうとするのではなく、まずはネガティブな反すう(ここでは「ネガティブ沼」とたとえます)から抜け出せるようにサポートができるとよいでしょう。
次に、「ネガティブ沼」からの脱出法をご紹介しましょう。
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