「怒りでパニック」の子を落ち着かせる簡単な方法 長期間の「ネガティブ感情」にはサポートが必要
8歳のかなちゃんは、きれいな貝殻を棚に並べて見るのが大好きな女の子です。ある日4歳の弟が、かなちゃんのコレクションの1つだった、青くて珍しい貝殻を勝手に持っていってしまいました。かなちゃんは泣き叫び、弟を追いかけたところ、弟はポイッとその貝殻を投げて返しました。すると、かなちゃんは弟に「なんでそんなことするのぉ!!」と怒鳴りながら、弟をたたこうとしたそうです。
こうしたきょうだいゲンカは日常茶飯事の光景とはいえ、親としてはこのシチュエーションで黙っているわけにはいきませんね。両方の言い分を聞きたいところですが……まずは、かなちゃんのヒートアップした感情を落ち着かせることが必要です。怒りでわれを忘れているような状態では声をかけても聞くどころではありません。
また、どのような感情も大切ではありますが、自分や人を傷つける行動は許されないことを伝える必要もあります。
まずはストレス反応を起こしている脳を落ち着かせるために、手をギュッと握り、「弟が大事なものを持っていってしまい、腹が立つね。そのムカムカをハ〜ッて、出しちゃおう!」と言いながら大きく息を吐き、深呼吸を一緒に行うとよいでしょう。
体へアプローチすることで徐々に心も落ち着いてきます。「大切なものをとられたら怒りたくなるよね」と共感を示し、たたくという方法以外で気持ちを弟へ伝える方法を一緒に考えてあげましょう。深呼吸は、脳の興奮状態を鎮めるのに役に立つ方法の1つです。まずは、ゆっくり吐き切ることに集中します。すると、自然にたくさんの空気を吸い込むことができます。
同時に、弟にもどのような行動が姉の気持ちを傷つけたのかを伝えましょう。よくないことをしたと気がつけば謝ることにつながり、円滑な人間関係の築き方を学ぶことができます。
興奮を鎮静化させる「カウンティング」
この例のように、子どもがネガティブな感情に圧倒されてパニック状態になっているときは、深呼吸と同様に数をゆっくり数える「カウンティング」という方法も効果的です。わが家では、あえてスペイン語で1から10までゆっくり数える方法を行っています。日本語のようにスラスラと数字が出てこないので、必然的にゆっくり数えることになり、クールダウンするのに役立ちます。
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