あのゴールデングローブ賞が消滅危機にある訳 スカヨハも我慢の限界!投票団体の超差別体質

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映画とドラマの国際的賞「ゴールデングローブ賞」が消滅の危機にある理由とは?(写真:Axelle/Bauer-Griffin/Getty)

“アカデミー賞の前哨戦”と位置付けられてきたゴールデングローブ賞が瀕死の状態にある。

今年の2月以降、投票団体のハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)に批判が集まり、業界のパブリシスト(広報担当者)らが一致団結して、クライアントである俳優や監督をHFPAの取材やイベントに出席させないようにしたことから、現在彼らは実質的に「活動停止状態」にあるのだ。

パブリシストは、クライアントにどの取材を受けさせ、どれを拒否するかを決める人たち。彼らがHFPAをボイコットすれば、授賞式にスターが誰も来なくなる。スターが参加しなければテレビ番組として成立せず、HFPAの財源であるNBCからの放映ライセンス料も入らない。

そんな中、必要に迫られたHFPAは自己改革案を発表したのだが、それがまたあまりに表面的で、さらに炎上を招くことになってしまった。これでは話にならないと、パブリシストはボイコットの継続を宣言。その直後にはアワードシーズンに大活躍するNetflixやAmazonまで「抜本的に変わるまで関わらない」とボイコットを表明した。

スター俳優たちも続々と「ボイコット」表明

続いてマーク・ラファロもソーシャルメディアでHFPAに真の改革を要求、スカーレット・ヨハンソンも業界仲間にHFPAをボイコットしようと呼びかける声明を発表。

ヨハンソンは、その声明で「私は過去にHFPAの会員から、ほとんどセクハラとも言える女性蔑視の質問を受けてきました。だから私はここ何年も彼らの会見を拒否してきたのです」「HFPAはハーベイ・ワインスタインのような人(賞を利用しようとする大物プロデューサー)によって、あたかも価値のあるもののようにされたにすぎません。そして業界はそれにならったのです。抜本的な改革がなされないかぎり、私たちはHFPAと距離を置くべき時がきました」と述べている。

だが、HFPAが根本的に変わるとは、誰も思っていない。パブリシストらは、「じっくり時間をかけて改革し、準備が整ってからにしましょう。それは2022年かもしれませんし2023年かもしれません」と、もう来年のグローブは諦めろというようなことも示唆している。

実際、アワードシーズンの始まりとされるヴェネツィア映画祭まで、もう4ヵ月もない。ここまでの2ヵ月、どうやって表面を取り繕うかということばかり考えてきたHFPAが、これからの3ヵ月ほどの間に劇的に生まれ変わるとは、とても期待できない。

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