あのゴールデングローブ賞が消滅危機にある訳 スカヨハも我慢の限界!投票団体の超差別体質

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そこから平等で安全な職場環境をうったえるアクティビスト団体Time’s Upが「#TimesUpGlobes」というHFPA批判キャンペーンを展開したのだが、それを受けてレジーナ・キングなど影響力をもつ黒人の業界関係者が「そんなこと、みんな前から知っていたわよね」と、誰もが気づいていたのに黙って耐えてきたにすぎないと言い、まさにそのとおりだとの声が出る。

HFPAがいかに常識に欠け、時代遅れの価値観をもち、マナーが悪く、人種差別が深く根付いた団体であることは、たしかにこの業界で知られてきたこと。

あるパブリシストは、クライアントが初めてHFPAの会見に挑む場合、「おそらくあなたは傷つけられます。非常にプライベートなことを、最も不適切な形で聞いてきたりします」と警告してきたと、「L.A.TIMES」に対して語っている。

それでもクライアントを会見に送り込んできたのは、グローブにノミネーションされることがキャリアのプラスになると思っていたからなのだ。

「裸の王様」に成り下がったHFPA

だが、本当にそうだろうかと、ここへきてみんなが思い始めたのである。HFPAの会員の大部分は、実際にはもうほとんど記事を書いていない、ほぼリタイアした高齢者。つまり彼らの会見は老人クラブの集まりであり、だからこそピント外れの失礼な質問が出てくるのだ。

普通ならばそういった質問をしたらブラックリスト化されるが、グローブの投票権をもつHFPA会員に対しては、それもない。誰からも何も言われないうちにHFPA会員は、どんどん裸の王様になっていった。

今ようやく、そんな人たちにつきあう必要はないと気づいたパブリシストら100社以上が団結し、ボイコットを表明したのが、グローブ授賞式から2週間経った3月半ばのことである。

次ページ「自分たちはレイシストではない」と言い訳するが…
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