「無駄な努力」ばかりのマジメな人に必要な視点 コミュ障でも稼げるようになったぼっち仕事術
とはいえ、どんなことでも、続けてみないと可能性は見えてきません。そこで「とにかく期間を決めてやってみる」という方法があります。
わたしは小説家になりたいと思って、「1年間」と期間を決めて、小説を頑張りましたが、うまくいきませんでした。そもそもその期間が適正なのかどうかって、始める時点ではわからないんですよね。わたしの場合は貯金がもつギリギリの期間が1年間だったのですが、冷静になって考えてみると、わたしの貯金金額と、小説家として成功できるかどうかって、何の因果関係もありません。
「1年」ってキリがいいので、何かをやろうと思ったときにとりあえずの期間として、よく設定しがちなのですが、継続するには長すぎるんですよね。それに「1年も頑張ったんだから」と手放すのが惜しくなっちゃう、という弊害もあります。
わたしは小説は失敗しましたが、一方で、本業のエンジニアの仕事のほうはすんなりうまくいきました。詳しくは書籍のなかで紹介していますが、今のところ仕事が途切れたこともありません。
この違いは何かを考えたとき、意外かもしれませんが、単純に「頑張る期間が1年より短い」ということは重要だったように感じています。
独立してからは、「3カ月」単位ぐらいで仕事やプロジェクトがぽんぽん変わっており、同じ仕事をやり続けるのは長くても「半年」です。これは技術の陳腐化がはやいIT業界特有かもしれません。
だからわたしが狙ってやったことではないんですが、だいたい3カ月おきに「人生の方向性」を考える状況に、自然となっていたと思うのです。
「3カ月」ごとに「そもそも」を考える
わたしは受注している仕事が切り替わる3カ月ごとに、自分に次のような質問をぶつけています。
「この仕事、続けるか辞めるかどうしよう」
「そもそも、なぜこの仕事をやってるんだっけ」
「ほかにやりたいことはないんだっけ」
ということです。2つめに挙げた「そもそも」っていいキーワードで、土台の部分を考えるきっかけになります。
会社勤めしていた頃や、小説を書いていた頃は、「もっと効率よくやる方法」ばかりを考えていました。仕事に取りかかるまでの段取りを記録して無駄がないかチェックしたり、生産性が上がる道具を揃えたり。
そういう細かい修正ももちろん大事だと思うんですけど、わたしの場合、それよりも3カ月ごとの「そもそもチェック」のほうが人生を大きく変えてくれたと感じています。3カ月ごとに「仕事や付き合う人、時には住む場所までガラッと変わる」という大きな変化が自然発生した結果、結果の出ない方向に向かって馬車馬のように身体を壊すまで頑張る、ということがなくなりました。