日系企業のインド駐在員は余暇をどのように過ごしているのか?

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タバコに関しては2008年10月に禁煙法が施行され、レストラン、喫茶店など全部禁煙です。灰皿があるのはホテルの客室くらいです。これは2009年にインドに行った際に驚きました。かなり禁煙が実行されていました。カフェチェーンのようなところもすべて禁煙です。しかもテラス席などでも禁煙にしているところが多く、シンガポールや香港でも同じように禁煙法がありますが、私の感覚では環境はそれより厳しいかもしれません。地域差もありそうです。

ただし、店の外や路上での規制はいい加減で、吸うことができます。車の中なども大丈夫です。駐在してしまえば問題ないと思いますが、出張ベースだと息苦しさがあるかもしれません。

--なるほど、結構お国柄が出ますね。日本人駐在員同士の自宅の行き来や家族単位での交流は多いのですか。

お互いの駐在員宅に行って食事をするということは多いと思います。都市によると思いますが、他の国の場合より駐在員同士が戦友のように親密になりやすいかもしれません。立場上、駐在員の奥様は接待の準備が多く大変と聞きます。特に、デリーなどでは11~2月ごろの一番過ごしやすいシーズンに、日本からの来客が集中して大変という方もおられました。家族のストレスも考えつつ、対応する必要があると思います。

赴任ご家族の方、奥様などはヨガ、舞踊、語学教室など習い事をされる方も多いようです。ボランティア活動なども盛んです。ボランティアは、日本人会が主催するようなものもあれば、NGOもたくさんあり、インドはある意味、ボランティアの本場です。無理のない範囲で参加されるのもいいのではないでしょうか。

■今後は1~2人での赴任が主流に

--なるほどヨガ、ボランティアは本場ですね。結構、やることもいろいろありますね。

せっかくインドに赴任しているなら、環境を生かしてインドでしかできないことで、うまくストレスが発散できればいいですね。赴任1年目は、仕事、生活のストレスがたまりやすいですから、メンタル面を考えて余暇をどのように過ごすかはかなり重要です。特に駐在員が何十人もいるような企業は少なく、超大手企業の進出も一段落つきました。今後は1人、2人での赴任が主流になってきます。現地日本人コミュニティに溶け込み、無理なくやっていくことが重要です。

(聞き手:東洋経済HRオンライン編集部:田宮寛之 須貝氏撮影:尾形文繁、写真は本文とは関係ありません)

すがい・しんいち
1973年生まれ。法政大学英文科卒業。外資系IT企業、インド関連コンサルティング会社にて取締役として事業の立ち上げ等を経て、現在はネクストマーケット・リサーチ代表取締役。中小企業診断士。

ネクストマーケット・リサーチ
インド・南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、インド進出支援コンサルティング、インターネット関連事業などを行っている。http://nm-research.com

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