舞浜の「フルーツサンド店」に行列ができるワケ 「パンとエスプレッソと」の職人がレシピ考案
「パンは日常的に食べるものですが、フルーツはお見舞いや贈答品など、特別感がある。フルーツを普通に食べられる店にしたいと思って、パンと組み合わせました」(山本氏)
やはりフルーツサンドは、日常と非日常の合体だったのだ。
主要客層は店の立地によっても異なるが、ターゲットは主に学生を含む若い世代。そのため客単価は1000円と、手の届きやすい設定にしている。ロゴや店舗内装には昭和レトロなデザインを用いた。
「パンとエスプレッソと」の職人がレシピを考案。工房で焼いたパンを各店舗に送り、フルーツやクリームなどと合わせて完成させる。なお、クリームにも同店ならではのこだわりが詰まっている。かなり甘味を抑え、かつスイーツとしてのおいしさ、満足感を損なわないために、きび砂糖やマスカルポーネを使っている。きび砂糖はなんと、1つあたり1g程度しか使用されていないそうだ。
もともとのレシピは決まっているが、細部で味を調整するのは店舗スタッフに任されている。
店舗でオリジナルメニューを考案
イクスピアリ内にある舞浜出張所の店長、爲谷明代氏によると、「やはり、お客様と直に接する立場なので、お客様の声を取り入れて味を調整することがあります。例えば生地をよりしっとりとさせるために調合を変えてもらったり、クリームの甘味なども店舗で塩梅します」とのこと。
例えば同店ならではのオリジナルメニューはプリンアラモード。季節限定品の構成などは現場のスタッフで話し合いながら決めるそうだ。
このようにスタッフが自主性を持って働いているのも、店を活性化し、ブランドの魅力を醸し出す一要素になる。
山本氏によると、社員の多くはもともとブランドのファン。店のことを知って入社してくるため、接客などの教育はそれほど必要ないそうだ。また定着率も飲食店にしては高いほうという。
今後の予定としては、舞浜の店舗については客数に対応できるよう、スタッフを増員するなど、体制を整えるのが急務。
また、現在の業態でカバーできていない男性の客層に向けて、新しいブランドを検討していきたいという。同社では複数の異なるブランドを複数の立地に展開することが、コロナ下でのリスクヘッジにもなっているようだ。品質やブランドの本質をしっかりと捉え、ぶれない運営をしていくことが重要だろう。
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