日産GT-R、誕生から14年の全歴史に見た超進化 最新2022年モデル「GT-R NISMO」は何がスゴいか

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「2010モデル(2009年10月)」は、基準車にスペックV用の冷却ダクト付きリアディフューザーの水平展開、通気抵抗の少ない触媒採用で中低速域のレスポンスの向上、地デジ内蔵HDDナビ採用などが行われている。

「2011モデル(2010年10月)」は初の大幅改良だ。エンジンは485馬力/588Nmから530馬力/612Nmに出力向上。それに併せてボディーにはアルミハニカム入りカーボンコンポジット性ストラットサポートバーを追加。サスペンションセットアップ(ダンパー内部のフリーピストン変更)、タイヤ、アルミホイール(3kg/台の軽量化)、ブレーキ(フロントローター拡大)など、車両全体に手が入る。さらにテーラーメイド仕様の「エゴイスト」、ナンバーなしのサーキット専用車「クラブトラックエディション」といったスペシャルバージョンの追加もニュースとなった。

「2012モデル(2011年11月)」は、大幅改良から1年目の年次改良ながら変更箇所は多い。エンジンは内部に初めて手が入り、インテークマニホールドとシリンダーヘッドの合わせの高精度化、インタークーラーインテークダクト樹脂化&断面積拡大、ナトリウム注入エキゾーストバルブを採用とコンパクト化された触媒により、550馬力/632Nmへと向上。ボディーはエンジン後部、ダッシュボード周りを重点的に剛性を高めた。さらに右ハンドル車は四輪の接地荷重バランスを修正するために、左右非対称セッティングのサスペンションを採用。スペックVがカタログ落ちしたが、スペックVの要素をパッケージOP化された「Forトラックパック」を設定した。

「2013モデル(2012年11月)」はエンジンスペックに変更はないが、高出力インジェクター採用やターボの過給バイパスに専用開発のオリフィス追加、オイルパン内の回転フリクション低減などにより高回転域での伸びのよさ/力強さが向上。ボディーはメンバーの追加、サスペンションはフロントのロールセンターを下げるとともにセットアップを変更。メカニズムの変更だけでなくインテリアに「ファッショナブルインテリア」もOP設定した。

水野氏→田村氏へバトンタッチ

この2013モデルを最後に水野氏は日産自動車を退社、そのバトンを田村氏が受け継いだ。実は田村氏はR35の源流とも言われる「GT-Rコンセプト(2001年東京モーターショーで発表)」を企画した張本人。そういう意味では「返り咲き」とも言える。

そんな田村氏が携わった初のモデルが2014モデル(2013年11月)。見た目の変更はわずかだが、基準車のシャシーセットアップはGT-Rの「GT性能」を引き上げるために方向性を変更。しなやかな足の動きやフラットライドな乗り味で洗練された速さを追及した「大人が楽しめるGT-R」を目指した。その一方でGT-Rの「R性能」は、新たにモータースポーツ直系チューニングを施した「GT-R NISMO」が担うことに。

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