子どもの「MRI検査」に台本ができた深い理由 最初は「恐怖の対象」でしかなかったが…

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「洗濯もの屋さんごっこ」は洗濯ものを売り買いする遊びです。長女が山となった洗濯ものを、妹2人に「売る」のです。

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妹たちは「100円」「50円」と紙に書いた疑似通貨を持たされていて、「50円で買いたいです」「そんな安くは売りません」「じゃあ100円で」というようにやり取りをして、長女から洗濯ものを「買う」わけです。

「買った洗濯ものは畳んで持っていく」がルールです。妹たちは、争って洗濯ものを買っては、畳んで各部屋に持っていきました。

長女はつまらない「洗濯もの畳み」を、自ら楽しい「ごっこ遊び」に変えました。自分たちにとって、何より「姉妹3人で遊べること」がダイジだったから。

困ったら1段上がって考えよう

MRI検査を海賊ごっこに変えたディーツたちも同じです。「MRI検査は怖い」というネガティブを、装置の静音化などで直接的に潰すのではなく、テーマを拡げて子どもたちの生活全般について聞きました。そして「本当にやりたいこと」というポジティブな欲求(重み)を聞き出し、そこから解決策(差)を考えたのです。

困ったら、1段上がってダイジなことを考え直しましょう。

三谷 宏治 KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授

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みたに こうじ / Koji Mitani

東京大学理学部物理学科卒業後、BCG、アクセンチュアで経営戦略コンサルタントとして活躍。2003年から2006年までアクセンチュア戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。2006年から教育の世界に転じ、子ども・保護者・教員向けの授業・講演に注力。年間1万人以上と接している。現在、KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授のほか、早稲田大学ビジネススクール/女子栄養大学客員教授、放課後NPOアフタースクール/NPO法人3keys理事、永平寺ふるさと大使を務める。著書多数。2013年に出版された『経営戦略全史』はビジネス書アワード2冠を獲得した。親向けの著作として『お手伝い至上主義! 』『親と子の「伝える技術」』などもある。3人娘の父で、小学校PTA会長も務めた。

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