コロナ禍も「生活保護は嫌」申請者の葛藤と現実 素直に申し出る人は2割、自治体の対応にも問題
「今晩泊まるところがない」とSOS
田川さんの1日は、メールを読むことから始まる。新型コロナ災害緊急アクションの相談フォームに寄せられたメールに目を通し、詳細を聞き取り、連携する支援団体につなげていく。
――寄せられている相談はどういうものが多いですか。
田川「メール相談ということもあり、20〜30代半ばまでのかたの相談が多いです。女性も2割ほどいます。そしてSOSを出されるかたの所持金は、ほとんどが1000円未満です。
昨日も夜7時にSOSしてきた男性は、『今晩泊まるところがない』といいます。事務局の瀬戸大作さんが動いてくれて、新宿で9時に待ち合わせて、ホテル代と当面の生活支援金を渡しました。そうでなければ路上で一夜を過ごすことになったと思います。後日、生活保護申請につなげる予定でいます。
また別のケースでは早朝4時にメールがきて、私から7時に返信したのですが、その後全然応答がなくて……。携帯は止められていて連絡がつきません。Wi-Fi環境があるところでしかメールが送受信できないらしいのです。
そこで『Wi-Fiのあるところで待っていて下さい』とお願いして、やっと連絡が取れるようになり、瀬戸さんに対応してもらった。毎日、綱渡りの連続です」