現在は新型コロナウイルスの影響もあって、スタジオで芸能人を占うのがメインとなっているが、もともとは番組名どおり、占い師が突然、飲み屋などにいる人を占うという突撃番組だった。
「占い師の方に『街で突然声をかけた人の過去を言い当てることができますか?』と聞いてみると『できる』と。それで、夜の赤羽に出かけて街録(街でインタビュー)を行ったのですが、意図していた驚きや面白さに手ごたえがありました。中には占い師の言葉に『いや、そんなことはなかったです』という人もいましたが、かなりの確率で言い当てていたと思います」と春名さんは語る。
「想定外だったのは、その人の過去を知ることでまったく知らない人の人生ドラマを知る面白さがあったこと。過去から言い当てていくと、自分が普段接することがないような人たちの人生ドラマがわかり、赤の他人なのに親近感が湧いていく。
その人が歩んできた道のり、苦労したこと、葛藤したことには、誰もがどこかで共感できることがある。こちらの気持ちが入っていくにつれて、だんだん他人事じゃなくなり、結果として未来も知りたくなってくるのです。これからどうなるの?みたいな」
赤羽で声をかけた女性の同僚も知らない「過去」
例えば、赤羽で最初に声をかけた若い女性は、話を聞いたらその前年に兄を亡くしていた。この女性と一緒に飲んでいた職場の先輩も同僚もそこのことをまったく知らず、絶句する。「急にその女性の人となりがみずみずしく見え、その人自身が見えてくる瞬間でした。これはかなりインパクトがありました」と春名氏は話す。
赤羽の収録では、男性にも声をかけたが、男性の場合は恥ずかしがって話そうとしない。ところが、カメラを切ると、「いや、さっき言われたことは実はあっていて……もっと話を聞いてくれないか」と言われることもあったという。偶然、飲み屋で知り合った人たちにもさまざまなドラマがある――。春名さんは番組の手応えを得た。
現在は主に芸能人の占いをやっているが、台本はないという。事前に生年月日と生まれた時間、本名を聞いて占い師にみてもらっている。番組を見たことがある人はわかるだろうが、「えっ!何でわかるんですか!」という瞬間がたびたび訪れる。そしてそこから、占われる人の表情が変わってくるのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら