ニトリが密かにファミレスを始めた納得の理由 「ニトリダイニング|みんなのグリル」の勝ち筋
カフェを併設する書店がある。カフェ事業では利益を上げられなくても、お客の滞在時間を上げたり、お客のデータを入手することでコンサルティング事業に役立てていたりする事例がある。
ニトリは衣食住のすべてに関わり、消費者の生活に深く根ざすことを意図している。冒頭であげたとおりニトリは本業が好調であるため、飲食事業では利益を上げなくとも集客の役割だけを担える強みがある。
これも同様に、イケアやコストコでは飲食で提供する食品を店舗で販売している。飲食形態では利益を上げなくても、食品販売や他商品のついで買いトータルで利益を確保する試みだ。
グループ全体の魅力を上げる
メーカーの商品(NB)を販売するのではなく、消費者とダイレクトに関わりそこから独自商品(PB)を開発・販売する流れは加速している。チェーンストアの理論は家具販売だけではなく、応用すれば飲食店経営にも活かせ、それによってニトリグループ全体の魅力も上げていく。まさに実験的な施策だろう。
なお、私が実際にニトリダイニングでリブステーキとハンバーグを食した感想を述べておく。この両方とも、「いきなり!ステーキ」のラインナップでもある。いきなり!と比べて、ステーキの焼き具合の好みを聞いてくれることはないし、量も種類も限られている。
味は価格相当かな、という感じだ。悪い意味ではない。お手頃なので、近くにあったら来店頻度は高まるかもしれない。ただ、遠くまであえて向かうかといわれたら微妙かもしれない。
ニトリのお客はそれこそ老若男女で、ステーキに絞った業態がベストかはわからない。ただそれはニトリが百も承知だろう。だからこそ、ニトリダイニングは大規模な宣伝もせず、テストを繰り返している。この形のままかは不明だが、飲食店などを使って訴求性を上げる方向性としてはおかしくない。
「お、ねだん以上。」と感じるお客がどれほどいるのか注目したい。
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