中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は3月30日、同社董事会(取締役会に相当)が電気自動車(EV)事業への参入を正式に決議したと発表した。100%子会社を新設し、シャオミの創業者で会長兼CEO(最高経営責任者)である雷軍氏が新会社のCEOとして陣頭指揮を執る。
シャオミは以前からEV事業への参入を検討していたが、今回それを正式に宣言した格好だ。投資額は第1段階で100億元(約1671億円)、今後10年間で延べ100億ドル(約1兆967億円)を見込んでいる。
発表が行われたその夜、雷CEOはシャオミの春の新製品発表会でこう語った。
「この決定が何を意味しているのか、私はよくわかっている。私の人生で培ってきたすべての成果と名誉を賭け、シャオミ・カーのために戦う。決定を下したからには、少なくとも5年から10年間、全力で突進する覚悟が必要だ」
雷氏によれば、EV事業への参入は「シャオミの歴史上最も重大な決定」であり、同氏にとって「人生最後の重大な創業プロジェクト」だという。
資金はすべてシャオミが出す
なお、シャオミのEV事業の経営形態について、雷CEOは社外からの出資を仰がない単独資本で経営するとし、「必要な資金はすべてシャオミ自身が出す」と強調した。
雷CEOの説明によると、多くの投資家がシャオミのEV事業への出資に意欲を示した。しかしシャオミが独自に築いてきたスマートフォンのサプライチェーンを自動車製造に生かしてこそ、顧客に最高の体験を提供できると考えて、単独資本を選択したという。
シャオミのEV事業参入の動きは、かねてより市場関係者の注目を集めていた。シャオミは2月21日夜に発表した投資家向け広報の中で、EVの研究開発を始めたことを明らかにしたが、事業化はまだ取締役会の承認を得てないとしていた。しかし、「シャオミがEV参入を準備」とのニュースが流れると、株価は瞬く間に跳ね上がった。
自動車業界では現在、スマート化と電動化に向けた方向転換が進んでいる。スマート化した自動車とは、誤認を恐れずに言えば「スマートフォンにタイヤを4つ付けたもの」である。中国の華為技術(ファーウェイ)やアメリカのアップルなど、多くのスマートフォンメーカーが自動車事業に参入しつつあるのはそのためだ。自動車はスマートフォンに続く次世代のスマート端末となる可能性を秘めているのだ。
(財新記者:何書静)
※原文の配信は3月30日
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