シャオミが1兆円投資で「EV」に参入する本気度

雷氏「人生で培った全ての成果と名誉を賭ける」

スマホ大手のシャオミはEVへの参入を表明した。写真は2020年12月、新型スマホを発表するシャオミ創業者の雷軍氏(同社ウェブサイトより)

中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は3月30日、同社董事会(取締役会に相当)が電気自動車(EV)事業への参入を正式に決議したと発表した。100%子会社を新設し、シャオミの創業者で会長兼CEO(最高経営責任者)である雷軍氏が新会社のCEOとして陣頭指揮を執る。

シャオミは以前からEV事業への参入を検討していたが、今回それを正式に宣言した格好だ。投資額は第1段階で100億元(約1671億円)、今後10年間で延べ100億ドル(約1兆967億円)を見込んでいる。

発表が行われたその夜、雷CEOはシャオミの春の新製品発表会でこう語った。

「この決定が何を意味しているのか、私はよくわかっている。私の人生で培ってきたすべての成果と名誉を賭け、シャオミ・カーのために戦う。決定を下したからには、少なくとも5年から10年間、全力で突進する覚悟が必要だ」

雷氏によれば、EV事業への参入は「シャオミの歴史上最も重大な決定」であり、同氏にとって「人生最後の重大な創業プロジェクト」だという。

資金はすべてシャオミが出す

なお、シャオミのEV事業の経営形態について、雷CEOは社外からの出資を仰がない単独資本で経営するとし、「必要な資金はすべてシャオミ自身が出す」と強調した。

雷CEOの説明によると、多くの投資家がシャオミのEV事業への出資に意欲を示した。しかしシャオミが独自に築いてきたスマートフォンのサプライチェーンを自動車製造に生かしてこそ、顧客に最高の体験を提供できると考えて、単独資本を選択したという。

本記事は「財新」の提供記事です

シャオミのEV事業参入の動きは、かねてより市場関係者の注目を集めていた。シャオミは2月21日夜に発表した投資家向け広報の中で、EVの研究開発を始めたことを明らかにしたが、事業化はまだ取締役会の承認を得てないとしていた。しかし、「シャオミがEV参入を準備」とのニュースが流れると、株価は瞬く間に跳ね上がった。

自動車業界では現在、スマート化と電動化に向けた方向転換が進んでいる。スマート化した自動車とは、誤認を恐れずに言えば「スマートフォンにタイヤを4つ付けたもの」である。中国の華為技術(ファーウェイ)やアメリカのアップルなど、多くのスマートフォンメーカーが自動車事業に参入しつつあるのはそのためだ。自動車はスマートフォンに続く次世代のスマート端末となる可能性を秘めているのだ。

(財新記者:何書静)
※原文の配信は3月30日

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 自分史上最高のカラダに!本気の肉体改造メソッド
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 晩婚さんいらっしゃい!
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「安売り日本」はもう限界、ニッポン再生計画
「安売り日本」はもう限界、ニッポン再生計画
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
勝ち組シニアと負け組シニア<br>定年格差

「45歳定年」発言に対し一部で猛反発。現実には法改正で70歳までの雇用確保が今春努力義務化されました。人生100年時代といわれる今、従来の定年はもはやなくなりつつあります。老後も働くシニアが第二の人生を勝ち抜くためにすべきことは何でしょうか。

東洋経済education×ICT