中国スマホ大手「シャオミ」、実店舗強化の勝算

ファーウェイが失ったシェアの奪取もくろむ

オンライン販売が主体だったシャオミは、中国の地方部での実店舗販売を強化する。写真は低価格スマホの新製品「Redmi Note 9 Pro」(同社ウェブサイトより)

中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は、地方部の実店舗での販売強化に乗り出す。11月26日に開かれた低価格スマートフォン「Redmi(紅米)」シリーズの新製品発表会で、同社の中国地区総裁の盧偉冰氏が明らかにした。

盧氏によれば、専売店の「小米之家」を1年以内に中国国内のすべての県に開設し、中小都市での実店舗販売を加速させる(訳注:「県」は中国の地方行政区分の1つ。日本とは異なり「市」よりも下位に区分される)。

シャオミは2019年末時点で中国国内に630店以上の小米之家を展開している。しかし同社によれば、県レベルの市場のカバー率はまだ3割に満たないという。

2019年11月に中国地区総裁に抜擢された盧氏は、国内販売の総責任者として販売戦略の再構築に力を入れてきた。盧氏の就任当時、実店舗の販路では中国のスマホ最大手の華為技術(ファーウェイ)が圧倒的な強さを誇り、オンライン販売が主力のシャオミは伸び悩んでいた。

「販売トップが変わったら、戦略も販路も一変した」。財新記者の取材に応じたある販売代理会社の責任者は、そう証言した。この責任者によれば、以前のシャオミには小米之家のほかにも複数の販路があり、実店舗の戦略が混乱していた。盧氏はそれを改め、販路を小米之家に集約した。

販売代理会社のやる気引き出す新戦略

シャオミの「コストパフォーマンス戦略」も、実店舗を運営する販売代理会社のやる気をそぐ要因になっていた。創業者で会長兼CEO(最高経営責任者)の雷軍氏は、「シャオミ製スマホのハードウェアの純利益率は5%を超えない」と公の場で言い続けてきた。それは低コストのオンライン販売を前提にした薄利であり、実店舗では利益が手元に残らないからだ。

そこで盧氏は、実店舗が利益を確保できる水準に利幅を調整。販路の一本化で過当競争も抑えることで、販売代理会社のやる気を引き出そうとしている。前出の販売代理会社の責任者は、「シャオミの新しい方針に沿って協力していきたい」とコメントした。

本記事は「財新」の提供記事です

このタイミングでシャオミが実店舗販売をテコ入れするのは、首位のファーウェイがアメリカ政府の制裁により半導体を調達できなくなり、市場シェアを大きく落としていることが背景にある。

ある販売代理会社の証言によれば、シャオミの営業担当者はファーウェイが失った市場のうちオンライン販売分の25%、実店舗販売分の12%をそれぞれ奪取する目標を示したという。

(財新記者:何書静)
※原文の配信は11月27日

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