4月の日米首脳会談、菅首相は何を話すべきか 気候変動問題で米中協力なら日本は置き去りに

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3月16日、都内で会談する日米の外相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

菅義偉首相は4月16日、アメリカのバイデン大統領との首脳会談をワシントンで行う。バイデン大統領が対面で会う初の外国首脳になりそうだ。

菅首相は会談で日米同盟の一層の強化とともに、新型コロナウイルス対策や北朝鮮問題、気候変動問題など幅広い分野での連携を確認したい考えだという。

アラスカでの「米中新冷戦」

それに先立つ3月16日、東京で日米外務・防衛閣僚協議「2プラス2」(日米安全保障協議委員会)が開催された。バイデン政権になって初めての開催で、茂木敏充外相と岸信夫防衛相が、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官と会談した。両長官にとって日本は最初の訪問国となった。

協議後の共同発表では、拡大する地政学的な競争や新型コロナウイルス、気候変動、民主主義の再活性化といった課題の中で、中国による海警法に関する深刻な懸念を表明した。同時に、尖閣諸島に日米安保条約第5条が適用されることを再確認した。

ブリンケン氏はその後、韓国訪問を経て、3月18日にはアメリカのアラスカ州アンカレジで、中国の外交担当トップである楊潔篪共産党政治局員、王毅国務委員兼外相と会談した。バイデン政権下で初の米中対話だったが、冒頭から異例の応酬が報じられ、「米中新冷戦」の様相を思い知らされた。

ただ、楊氏は「中国とアメリカはともに大国であり、重要な責任を負っている。新型コロナウイルス、世界の経済活動の回復、気候変動への対応などの分野で、世界の平和と安定と発展に貢献していかなければならない。われわれが一緒にできることや、われわれの利益が収束するところはたくさんある」と発言した。

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