一方、JALは2010年の経営破綻を機に貨物専用機の運航から撤退し、旅客機の貨物室を活用した輸送に特化してきた。昨年10~12月には乗客なしの旅客機を「国際貨物専用便」として毎月1000便以上運航したものの、逼迫する需給環境に対応しきれず、需要の取りこぼしも多かった。
ANAのもう1つの勝因は、ダイヤ外の便を設定する機動力の向上だ。航空会社では予定にない便を設定する場合、パイロットの調整や機材の整備など、他の旅客便の運航にも関わる全社的なスケジュールの修正を要する。急な貨物便の運航のために、「ちょっと悪いけど来週の予定をずらしてくれ、といったことは(コロナ前なら)ありえなかった」(ANAカーゴの外山社長)。
”食いぶち”の貨物事業を重視
新型コロナの影響が深刻化した昨年春からしばらくの間は、突発的な貨物部門の要請に運航系の部門が対応しきれなかった。しかし夏から秋にかけて次第に順応が進む。貴重な食いぶちである貨物事業をグループ全体で重視し、貨物需要に合わせて柔軟に整備計画が調整できるようになった。外山社長は「手前みそだが、うちはマーケットの中で引き合いから運航まで一番早いと言われている」と胸を張る。
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