65歳定年後も輝く人とダメになる人の致命的差 昔の肩書きは忘れ「生きがい」で社会との接点を
老後資金が足りない人は、定年後も働き続ける必要があります。長く働くというのは、老後資金を補うためにも、そして、資産寿命を延ばすためにも有効な方法です。
いっぽう、資金計画に余裕があり、公的年金や企業年金もそれなりに受け取れる人は、働く必要に迫られていません。しかし、たとえ老後資金に余裕があっても、できるだけ働いたほうがいいと考えます。なぜなのか?
大手企業に勤務し、最後は子会社の代表まで務めたあと、60歳の定年を機会にスッパリと仕事を辞めたAさんのケースを見てみましょう。
定年当初こそ楽しかったが5カ月で仕事に復帰
Aさんは、定年後に何かしようとはまったく考えていませんでした。退職前の数年間はとても忙しく、自分の時間ももてなかったので、「とにかくゆっくりしたい」という気持ちしかなかったそうです。そのため、あえて再就職の道を選びませんでした。
定年後の生活費や老後資金については、心配ありませんでした。退職金や企業年金を十分に受け取れますし、それなりに貯えもあったからです。
退職した当初は、それは楽しかったそうです。月に100万円くらい使って、旅行や趣味に興じたり、友人に会ったりして、とにかく遊びまわりました。しかし、心から楽しいと思えたのは、2カ月目ぐらいまでです。それからは、なにをしても充実感がないし、楽しくもなくなり、3カ月目には「これじゃダメだ!」と感じたのです。
そこで、つてを頼って仕事を探し、5カ月目から仕事に復帰しました。65歳になった現在は、ベンチャー企業の顧問など4社かけもちで働いています。
仕事は週に3日間ぐらいですが、とても充実した生活を送れているとのこと。しかも「70歳ぐらいまでは、いまの仕事を続けていきたい」と、ますます意欲的になっています。
定年後にも働くのは、お金のためだけではありません。社会との接点をもつこと、自分がまだ必要とされているという生きがいを感じることが重要なのです。そして、働くことによって健康も維持できるようになります。
こんなデータがあります。
厚生労働省の平成30(2018)年の「経済財政諮問会議(加藤臨時委員資料)」によれば、65歳以上の就業率の高い県ほど、医療・介護費がかからないのです。働くことが健康によい影響をもたらしているといえるのではないでしょうか。
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