JR東日本の「コロナダメージ」がハンパない理由

出張需要が戻らない前提の態勢転換が不可欠だ

こと遠距離出張について、そのことが言える。

出張という名目で、実態は観光旅行という場合も少なくなかったと思われる。

経営者向けにさまざまな団体が主催の「視察ツアー」などは、その典型だ。

その反面で、オンライン商談には、コストの削減というだけでなく、いくつかの積極的なメリットがあることもわかった。

営業エリアを拡大できるし、商談数を増やすこともできる。悪天候や事故などのトラブルも回避できる、さらに、録画記録によって、組織内での情報共有もできる。

だから、企業の出張は、大きく変わる可能性がある。

マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏は、2020年11月中旬に行われたニューヨーク・タイムズ主催のイベントで、「出張需要の50%は未来永劫、戻らない」と予測した。そして、「今後は、会議や商談のために出張することは<非常に高いハードル>になる」ともした。

したがって、コロナが収束しても、出張の需要は元どおりにならない可能性が高い。

これは、JRも認識していることだ。

収入とコストの構造変革が必要

2020年7月30日、JR東日本の深澤祐二社長は、「乗客はコロナの前には戻らない」から、「収入とコストの構造変革が必要」だとした。

同氏は9月3日の会見においても、「鉄道の輸送需要は完全には元に戻らない」との認識を強調した。

以上のように、コロナ後のJRの収入は、企業の出張費がどうなるかに大きく依存する。

日本政策投資銀行の資料(『出張市場の規模と今後』、2017年12月)によると、2016年において国内の出張市場のうち、移動関連は約1.8兆円、そのうち鉄道は1.0兆円を占める。

出張旅費は2016年以降も増加していたため、2019年には鉄道だけでおそらく1.3兆円程度になっていたと考えられる。

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