日本製鉄の大赤字が示す鉄鋼不況の深刻度

鉄鋼メーカーの国内リストラは序章に過ぎない

2023年9月末までに閉鎖すると発表された日鉄日新製鋼の呉製鉄所(広島県)(写真:日本製鉄)

国内鉄鋼メーカーの厳しさが一段と鮮明になっている。

鉄鋼国内2位のJFEホールディングスは2月12日、2019年4月~12月期決算を発表し、併せて2020年3月通期の最終利益予想を従来の330億円から130億円(前期比92%減)に引き下げた。JFEの業績下方修正は2019年8月、11月に続く、今期3度目となる。

今回の修正要因は、持ち分法適用会社である造船会社ジャパン マリンユナイテッドの損失拡大だ。主力の鉄鋼事業の利益見通しはゼロと、2019年11月に修正した見通しのままだが、前期の1613億円の黒字から大幅に悪化する。鉄鋼事業の利益がゼロとなれば、2003年に川崎製鉄と日本鋼管の統合でJFEスチールが誕生して以来初めてのことだ。

この非常事態を受けて、首都圏にある生産拠点で一部ラインを停止し、西日本の主力拠点へ集約することも発表した。

JFEよりも格段に厳しい日本製鉄

最終利益が約9割減の大幅減益となるものの、2020年3月期でなんとか黒字予想を維持したJFEは健闘した印象だ。というのも、2月7日に決算を発表した日本製鉄のほうが格段に厳しかったからだ。

日本製鉄の2019年4月~12月期の最終損益は3573億円の赤字。さらに通期は従来予想の400億円(黒字)から4400億円の巨額赤字に修正した。主力の製鉄事業の事業利益は3550億円の赤字を見込む。

リーマンショック時もなかった過去最大の赤字になることから、「競争劣位な設備から競争優位な設備に集約する」(宮本勝弘副社長)。子会社・日鉄日新製鋼の呉製鉄所は2023年9月末までに閉鎖、和歌山製鉄所の高炉1基を休止するほか、全国各地で鉄鋼製品へ加工する設備を休止する。

需要低迷や原料の高止まりなどから鉄鋼業界の事業環境は悪化しており、リストラは避けられない状況だった(詳細は週刊東洋経済2020年1月18日号のスペシャルレポート「鉄鋼不況の常態化は必至 迫られる国内リストラ」)。そして今回、日本製鉄が新たに発表した多数の拠点での生産能力削減はJFEの比ではない。

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