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鉄鋼不況の常態化は必至 迫られる国内リストラ

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大手3社の利益は急減。逆風は一過性のものではない。次の一手が問われる。

本誌:山田雄大
写真:国内で高炉を保有する拠点は日本の鉄鋼メーカー3社で10を超す

「鉄本体事業の赤字が継続・拡大する、極めて危機的状況」──。

1月6日、日本製鉄の橋本英二社長が行った年頭あいさつには、厳しい言葉が並んだ。昨年4月に新日鉄住金から日本製鉄へ社名変更し、初めて迎えた新年だが、お祝いムードはみじんもない。

実際、足元の業績悪化は著しい。昨年11月の中間決算時に日本製鉄は2020年3月期の事業利益予想を、従来(8月時点)の1500億円から1000億円に下方修正している。前年度実績からは7割減だ。

足を引っ張ったのは主力の鉄鋼事業だ。20年3月期の鉄鋼事業の利益は前年度比8割減の500億円の予想で、下期の利益はわずか8億円の計算となる。

年間計画の500億円は連結ベースで子会社の収益も含まれているが、日本製鉄単体の鉄鋼事業は18年3月期から実質赤字(在庫評価損益を除く)で、今年度はさらにそれが拡大する。橋本社長も年頭あいさつで、「鉄事業の抱える本質的な問題にメスを入れ、抜本的な構造改革を遂行していく」と述べている。

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