また個人としての活動においても、それぞれ“ジャニーズらしさ”がある。
堂本光一は、2000年に始まった『SHOCK』シリーズに代表されるように、ミュージカルに精力的に取り組んでいる。
それは、ジャニー喜多川がジャニーズ事務所設立の際に目標としたオリジナルミュージカルの確立という大きな夢を受け継ぐものだ。いまや主演を務めるだけでなく演出も担当する彼は、その夢を実現するひとりとしてジャニーズをけん引するポジションにあると言っても過言ではない。
ソロとしての堂本剛は、自らの音楽の理想を追求し続けている。2002年にソロでCDデビューして以来、ソロツアーの開催はもちろん、「ENDRECHERI(エンドリケリー)」などの別名義でソロプロジェクトの活動もおこなっている。その中心には彼独自の音楽観や美意識があるが、形態としてはバンドによる演奏である。そこには、ジャニーズのもうひとつの伝統であるバンドサウンドの系譜が受け継がれている。
KinKi Kidsには、「愛のかたまり」(2001年発売)という曲がある。作詞は堂本剛で作曲は堂本光一。つまり、彼らによる自作曲だ。女性の繊細なこころの動きを表現した恋愛ソングだが、そのタイトルを借りるなら、ジャニーズのさまざまな伝統を体現する存在であるKinKi Kidsは、まさに“「ジャニーズ愛」のかたまり”のような存在と言えるかもしれない。
KinKi Kidsと「ジャニーさん」
彼らの「ジャニーズ愛」は、歌とダンス、舞台やバンドのみならず、ほかの面でも発揮されている。
KinKi Kidsは、関ジャニ∞、ジャニーズWEST、さらにジャニーズJr.のなにわ男子など、現在一大勢力となった関西系ジャニーズグループのパイオニアでもある。ひとつそこに共通するのは、バラエティスキル、笑いへの意識の高さだ。KinKi Kidsでも、2人が互いを「相方」と呼び、ボケとツッコミの掛け合いを繰り広げる姿はおなじみだろう。
そのなかで、KinKi Kidsが定着させたとも言えるのが、「ジャニーさん」ネタである。バラエティ番組などで、「YOU、○○しちゃいなよ」といった独特の言い回しを真似ながら、ジャニー喜多川のユニークな面白エピソードを紹介する。いまではすっかりジャニーズタレントの持ちネタになっているが、その先駆けとなったのがKinKi Kidsであった。
それによって、一般人は誰も知らないはずの裏方のジャニー喜多川までが、お茶の間のアイドルになった。その点、KinKi Kidsは、ジャニーズの魅力をより広く世間に知らしめるメッセンジャーでもあった。
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