3300円「山崎蒸溜所」のネット見学はお得なのか ウイスキー工場見学始めたサントリーの思惑

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参加者のつぶやきに対してガイドが声で返してくれることもあり、次第に本物のツアーに参加しているような雰囲気に。

「このあたり、甘酸っぱい匂いが広がっています」

「この部屋、すごく暑いんですよ」

オンライン・ライブのナビゲーターは、参加者の質問にも適宜答えてくれる(写真:サントリー提供)

カメラが動くと同時にそんな実況をしてくれるガイドも、臨場感を盛り上げるのに一役。この日のツアーのガイドさん(正式名称はナビゲーター)は、チャットへの返しが上手で、並々ならぬお酒愛も言葉の端々に見え隠れ。そのタレント性に魅せられて、思わず後日、普段は何をしている方なんですか?と聞いてしまった。

「山崎蒸溜所の見学ツアーのナビゲーターをしているスタッフが、現在はオンライン・ライブのナビゲーターを務めています」

リアルの蒸溜所見学でも人気があるウイスキー樽が並んでいる空間(写真:サントリー提供)

お楽しみの「テイスティングタイム」も

リアルの見学ツアーにも行ってみたいという思いが高まる。そうこうしているうちに、ツアーはいよいよ佳境。お楽しみのテイスティング体験が始まった。

お楽しみのテイスティング体験。おいしいハイボールの作り方をレクチャーしてくれる(写真:サントリー提供)

ガイドさんのナビゲートで、事前に送付された「山崎」のミニボトルのキャップを開け、一緒に送付されたテイスティンググラスに注ぐ。ちなみに非売品のこのグラスは、ウイスキーのブレンダーが実際に使っているグラスと同じ形のものだという。

事前に送付された「山崎」のミニボトルとテイスティンググラス(写真:筆者撮影)

この色や香りの感想を、同封されたチャートに書き込み、続いて1:1の水を加えてから、いよいよ口に含む。ネタバレになるので詳しくは言わないが、オンラインならではの集中力で挑んだせいもあって、何とも言えないウイスキーの深い味わいが楽しめた。あらためてウイスキーって、こんなにおいしいものだったんですね。

最後はハイボールの作り方などを学んで、ほぼ定時の60分でツアーが終了。考えてみれば酒類の工場見学は、自分で車を運転して行くと試飲ができないこともあって、行くのにけっこう気合いが必要なレジャーだったと思う。それが家に居ながらにして楽しめる。臨場感も楽しさも、想像以上だった。

「実際の香りや雰囲気がより知りたくなり、蒸溜所へ足を運びたい!という気持ちが強くなった」「遠方でなかなか訪問する機会がなかったので、今回リモートで夢がかなった」など、参加者の感想も上々だ。同社によると、コロナが終息してリアルな蒸溜所見学が再開したあとも、オンライン・ライブは継続する予定だという。

福光 恵 ライター

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ふくみつめぐみ

東京都生まれ。フリーライターを名乗って四半世紀。美術、グルメ、アウトドア、犯罪、芸能、IT、ビジネス、ペット、ファッション、車など、さまざまな専門分野を目指すが、ことごとく挫折。現在、専門なしの薄く広いライターとして活動中

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