3300円「山崎蒸溜所」のネット見学はお得なのか ウイスキー工場見学始めたサントリーの思惑
「本日の山崎蒸溜所の天気は快晴、青空が広がっていますが、みなさまのお住まいの地域はいかがでしょうか?」
3月のとある平日に開催された「山崎蒸溜所オンライン・ライブ」は、“ガイド”のそんなあいさつで始まった。日本ウイスキー発祥の地、サントリーの山崎蒸溜所(大阪府)を見学するツアー。コロナで休業しているリアルの蒸溜所見学ツアーに代わって、参加者はZoomのウェビナー機能を使って家にいながらにしてツアーを体験できる。
2カ月ですでに約4000人が参加
山崎蒸溜所と白州蒸溜所(山梨県)という人気ブランドのウイスキーを生む2カ所の蒸溜所を舞台にした「サントリーウイスキー リモート蒸溜所ツアー」が始まったのは、今年の1月下旬。海外からの参加は今のところ未対応ながら、オンライン・ライブの予約日には200名(2月は100名)の定員がたちまち満席になることも多く、この2カ月ですでに約4000人が参加したという。
「近年のジャパニーズウイスキーへの世界的なニーズの高まりを受け、国内外から蒸溜所へご来場の要望を多くいただいていた。だが受入人数には物理的制約があった。さらに昨年から新型コロナウイルスの影響で工場見学を休止していることを受け、ご自宅などからもウイスキー蒸溜所見学を体感できるリモートツアーを開始。ご来場いただくことが難しかったお客様との接点拡大や、サントリーウイスキーの品質価値訴求を図っていきたいと考えている」
サントリーホールディングス広報部の江部京子さんはそう話す。コロナで一時的に実施していない工場見学をオンラインで行う企画は多いが、ほとんどが無料。一方このツアーは、3300円(税込み)の参加費がかかる有料で、その代わり、テイスティング体験で使うための180mlのシングルモルトウイスキー山崎(以下、山崎)の小瓶1本と、山崎ロゴ入り特別テイスティンググラスが事前に送られてくるという「お楽しみ」がついている。
3300円は「ナビゲーターによる360°映像を使った製造工程案内や、ウイスキーやグラスなどのセミナー用ツールを使ったテイスティング、質疑応答など一連の蒸溜所体験への参加費用」(同)だという。
開始時間にZoomを指定されたURLにつなぎ、さっそく蒸溜所見学ツアーへ……と、その前に、有料のこのツアーの注目度を押し上げている、日本ウイスキーの人気について、おさらいしておこう。
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