SBホークスが「ファン目線の発信」に成功した訳 “ホークスと結婚した女"加藤和子の挑戦

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あんなこと、やりやがって……ではなく、場を盛り上げ、みんなが笑顔になったことを、松田や川島が、大拍手で称賛する。そうした一体感あふれるシーンを、加藤も逃さず捉え、そして発信する。その“発信の意味”を十分に理解しているからこそ、選手も積極的に協力するのだ。

「楽と言えば、楽なのかな。そうやってわかってくれているということが、ファンも楽しいんですよね。自分たちに見せてくれているんだという気持ちにもなるし、私も撮るほうとして、見ているほうが楽しいと感じているのかな、というのは最近思いますね」

コロナ禍で増えた映像の使用依頼

ご意見番、円陣でむちゃぶり。そんな話題が、Yahoo!トピックスに取り上げられることも増えてきた。新聞やテレビのメディアは、それを見て、取材のきっかけにしたりする。テレビ局からは「あの映像、使わせていただけないでしょうか」と依頼がくる。

コロナ禍で、取材規制が厳しくなった2020年(令和2年)は、球団の公式ツイッター、インスタグラム、YouTubeでアップした映像の使用依頼が「とくに多かったですね」という。

そこには、ビジネスが発生する。そうした映像も、球団の収入につながるのだ。普段なら見られない。新聞やテレビでも伝えることができない“舞台裏”のシーンだからこそ、価値がある。よけいに見たくなるのが、ファン心理でもある。

「試合で見ている選手たちが頑張っている姿は、テレビで見られますけど、それ以前に練習をこんなふうにやっているとか、この人の性格はこんなふうなんですけど、こんなふうに頑張っているんですよ、みたいな、人となりを併せて見てほしいんです。それで選手を応援してくれたり、好きになってくれたりとなると、必然的にホークス全体を好きになってもらえるかなというので(いろいろな映像を)出しているというのがあったんです。

テレビをやっていた頃とか、インタビュー、下手くそだったんです。インタビューをする意味とかをわからずにやっていた部分がありました。スポーツ選手をインタビューするって、生ものだし、この人のことがわかっていないとできないな、っていうところがあります。この人のこういうところを伝えたいなとインタビューするようになってきて、私には野球の専門的なことは書いたりできないですけど、これでやっていけたら、というのはありますね」

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